可動域制限を偽る詐病者はもってのほかですが、正しい計測をすべき医師がいい加減、これも困ります。多くは不正確な計測方法で過剰に回復した数値を記録されるパターンです。しかし、本件は逆、ありえない可動域制限の数値、つまり、過剰に曲がらない数値を記録したのです。そんなにひどくはありません。 kansetu_3←通常はこのパターンが多いのですが・・  そこで、もっと曲がっている(正しい)数値で計測し直すように医師にお願いしたのです。自賠責調査事務所が不審に思うことを懸念したからです。いつもと逆の仕事?となりました。

 しかし、医師は拒み、その後「そんなに曲がらなくなるわけ無い!」と自賠責・調査事務所の怒りを買ったような医療照会がかかりました。対してぐだぐたな回答しか出来ない医師は信用されず、当然、可動域制限での等級は認められませんでした。

 私達、メディカルコーディネーターの仕事は「可動域を過度に曲がらないように記録する」ことではありません。事実に即した正確な計測で、かつ最大限の等級認定を引き出すことです。おかしな医師のおかげで台無しとなりましたが、それでも結果を出せずに悔しく、また、依頼者様に申し訳ない気持ちが残りました。  

12級5号:肩鎖関節脱臼 烏口突起骨折(40代男性・長野県)

【事案】

自動車で交差点を走行中、右方より信号無視の自動車と出会い頭衝突。その際、右肩鎖脱臼、烏口突起、肋骨を骨折した。 GradeⅢの脱臼状態から肩関節の可動域制限を予断した。症状固定時期にはギリギリ12級7号(4分の3以下制限)レベルまで回復した。 続きを読む »