過去、むち打ちながら、謎の嗅覚障害、耳鳴り、排尿障害・・これらを苦労して等級に結びつけることをやってのけました。原因の追究は医師でも不可能、正に真実は神のみぞ知る状態です。丁寧に症状とその治療経過、及び検査を重ね、信憑性を高める作業となります。しかし、どう見ても因果関係に乏しい症状を訴える被害者さんも存在します。それを審査にぶつければ非該当が待っています。現実的に無理のない主張にて14級9号に収めた方が賢い道です。    20070618 

14級9号:頚椎捻挫(40代女性・東京都)

【事案】

自動車運転中、渋滞中の直進道路で後続車の追突を受ける。なお、追突者は逃走し、その後逮捕、実刑判決となった。 受傷直後から頚部痛、手のしびれ等の神経症状を発症。また、視力低下とうつ病も併発。

【問題点】

むち打ちながら、事故からしばらく経ってから徐々に視力が低下したと言う。さらに、頚部痛や手のしびれの辛さからうつ病を患い、症状が長期化したらしい。それでも何故か相手保険会社から治療費打切り要請を受けず、事故から1年5ヶ月通院が続いていた。担当者は忘れていたのかも知れない。

【立証ポイント】

結論として、視力低下の立証は相談された段階で諦め、症状が一貫している頚部痛及び手のしびれで後遺症(後遺障害)を追うことにした。事故外傷が原因で視力低下したのであれば顔面や頭部への直接のダメージがないと信用されない。さらに、事故直後から直ちに視力低下していなければ説明に窮する。そもそも視力低下は13級の数値に満たない。立証は非常に困難であることを納得していただいた。

結果、頚部痛及び手のしびれの症状が信用され、14級9号が認められる。なお、女性が4、50代になると更年期障害により視力低下することもあり、歳相応の視力低下と考えるほうが自然である。間違った立証方針で迷走させてはならない。

続きを読む »