症状固定を急かすのは治療費を抑制したい、案件を早く消化したい保険会社の専売特許ではありません。被害者側でフォローする私達も必要があれば、被害者を説得します。理由は色々ですが、いたずらに長い治療期間が好ましい結果を生まない事例をたくさん見てきているからでしょう。
併合14級:頚椎・腰椎捻挫(40代女性・埼玉県)
【事案】
信号待ち自動車搭乗中、交差点で後続車の追突を受ける。直後から頚部痛のみならず、両手のしびれ、下肢裏のしびれが続いた。
【問題点】
通勤中の事故であり、労災請求が先行されていた。労災で治療費がでると、相手保険会社は負担する治療費が抑えられるため、治療費打切り攻勢が和らぎます。よって、だらだらと長い治療期間となるケースが多い。治療効果があれば良いが、社会復帰の遅れや体力・気力の低下など、患者にとって必ずしも好ましいものではない。
【立証ポイント】
おかしな話ですが本件は私が症状固定を急かすことになりました。 中途半端な回復による等級認定の危惧もさることながら、事故が長引き、社会復帰が遅れるマイナス面を感じたからです。患者の多くは治したいが故、長い治療を志向します。しかし、外傷性頚部症候群の神経症状は、医学だけに頼っては治らず、長期となれば日常のリハビリが効果的であると、どの医師も口を揃えます。被害者とて甘えてばかりでは失うものが多いと思っています。