前回では、事故直後から痺れや痛みがあることを要素として述べました。
診断書にも、診断名にムチウチがあったとします。
しかし、これだけでいいのでしょうか。
皆様に質問です。
事故直後から痺れなどがあって辛いというムチウチの被害者がいます。
病院には月に1回行っておりました。
この者は本当に辛いのだと保険会社(自賠責・調査事務所)は信じてくれるでしょうか?
人によっては辛いという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、もし本当に辛ければ、普通、もっと通院するのではないかと考えませんか?
既に述べたことではありますが、ムチウチでは、明確な証拠と言うべき骨折も靭帯損傷も神経切断等もありません。
痺れや痛みの裏づけがないのです。
つまり、保険会社に信じてもらうしかないのです。
月に1回しか通院していない者は、保険会社から見れば、
「本当に辛い被害者であれば、もっと病院に行っているはずだ!」
「後遺障害が残ったと喚いていても、真面目に通院(リハビリ)をして、治療していなかった方が悪い!」
と考えるのが自然です。
本当に辛い方であれば、整形外科で真面目に通院(リハビリ)をするはずです。
そして、保険会社に信用してもらえる通院日数は、症状との兼ね合いもありますが、概ね90~100回以上です。他覚的所見、たとえば画像所見や神経学的所見が顕著であれば、それほどの通院日数はいりません。しかし、多くの被害者は自分が「痛い」と言っているだけで、他覚的所見が乏しいのです。すると、症状の一貫性と通院日数でしか症状の信憑性を計れなくなるのです。
つまり、1週間に3~4回の通院が必要な計算になります。
しかし、ここで注意点がございます。
最近では、病院だけでなく、接骨院や整骨院等、病院ではない所に通っている場合も多くなっております。
接骨院や整骨院等に通っていれば痛み等が緩和されて、病院に行くよりもいいという被害者の声もしばしば耳にします。
多くの被害者は後遺障害を残さずに治しきりたいはずです。
どのような治療を望むのかは、本人次第です。
ただ、一つ知っておいてほしいのは、保険会社は西洋医療を基準に判断しているという事です。
このことから、病院での西洋医療を受けずに、東洋医療のみで頑張って治そうとしても、保険会社からすると、それは「治療」ではなく、「施術」であって、真面目に治療しているとみられないのです。
さらに、後遺障害が残ったとしても、後遺障害診断書を書いてもらう医者がいなければなりません。