不全骨折・・ポキンと折れていない骨折でしょうか。医師は曖昧な診断名を残すことがあります。レントゲンだけではなくCTやMRIを用いて精査すれば良いのですが、町の整形外科では設備がなく、また、重大な骨折でなければ、わざわざ大きい病院に検査を依頼することもありません。それでも丁寧に進めれば、お馴染みの14級9号「神経症状」を抑えることができます。「折れているのかどうか?」はっきりさせたいのは山々ですが、時として曖昧でも良いのです。白黒つけるだけが人生ではありません。

c_g_l_87

14級9号:中足骨不全骨折?(20代女性・千葉県)

【事案】

歩行中、道路を横断の際、対向右折車に右足甲をひかれた。

【問題点】

レントゲンから初診の診断名は「右足打撲」。その後、転院先の病院で腰椎捻挫が加わる。足の痛みが尋常ではない事から、MRIで靭帯を観察、そこで中足骨の不全骨折が加わった。しかし、私が観たところ骨折は微妙、調査事務所もこれでは認めないであろうと予想した。初期の診断名が不確実、かつ後遺障害の狙いが絞れない・・

【立証ポイント】

知人の紹介を受けて受任、足と腰、共に神経症状の14級9号を念頭に立証作業を進めた。受傷から一貫した症状の推移を診断書に落とし込み、骨折の有無にはこだわらないようにした。さらに腰のMRIも施行、腰椎捻挫の14級を保険とした。 結果は足=”打撲による”、腰=”捻挫による”14級9号が認められ、併合14級となった。治療と立証作業を計画的に進めれば、調査事務所は曖昧な診断名でもきちんと見てくれるのです。

続きを読む »