【事案】

原付バイクでT字路前で停止中、左方より右折してきた自動車の衝突を受け受傷。その際、左膝脛骨を骨折した。骨折部をプレート、スクリューで固定し、1年半後に抜釘した。その後、リハビリを続けるものの、外出時に装具が必要で、疼痛も改善しなかった。さらに半年後に症状固定、後遺障害申請を行ったが、結果は12級13号。神経症状の評価に留まった。

【問題点】

委任を受けた弁護士より、異議申立の依頼を受けた。まずは読影である。装具を必要とするほどの症状であれば、靭帯の損傷を最初にチェックしなければならない。また、骨癒合状態に相応の変形、転位があるか、関節面の不整等も抑えるべきである。やはりと言うか、CT、CR上で骨折した骨頭部が斜め下後方に転位している様子が確認できた。これを膝の不安定性の原因に加え、検査のやり直しを進めた。

【立証ポイント】

まず最初に主治医と面談、事情を説明して立証作業の理解を得た。

MRIの再検査及びストレスXPを施行、靭帯を観察した。それらに動揺性をきたす程度の異常は認められなかった。関節面の不整は既にCT上で明らかだが、改めて確認できた。

次に伸展硬縮(膝がまっすぐ伸びない)による短縮障害も追求、下肢長の計測も加えた。左右の関節裂隙に差があるものの、脛骨自体の短縮は計測できなかった。

最後に後遺障害診断書を再作成し、硬性補装具の必要性、ラックマンテストの数値、脛骨の変形(後方転位)、下肢長数値を加えた。 20150422_3結果は高度な不安定性を示す靭帯損傷はなし、短縮障害についても伸展硬縮の程度から認められなかった。それでも関節面の不整等から不安定性をある程度勘案し、12級7号に変更していただいた。結局、「局部に頑固な神経症状を残すもの」から「下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの」へ、障害の系統を正したことになった。   号の変更は稀にある再申請だが、非常に重要な仕事である。13号が7号になれば、逸失利益の大幅な増加が見込まれるからである。   (平成25年12月)  

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【事案】

自動車搭乗中、渋滞で停車していたところ、後続車の追突を受け、前車にも衝突、さらに中央分離帯にまで弾き飛ばされた。その際、ハンドルを握ったまま肘を強打し、以来、肘から手指にかけてしびれに悩まされる。 理学療法を継続したが症状の消失には至らず、9か月後に症状固定し後遺障害申請するも「非該当」の判断となった。

【問題点】

器質的損傷がない、つまり、骨折や靭帯損傷がなく、自覚症状のみのケース。これでは「打撲程度で大袈裟な」と判断されてしまう。しびれの原因を立証する必要がある。

【立証ポイント】

基本通り、まずMRI検査、そして神経伝導速度検査を実施する。 MRIでは神経の絞扼(締め付けられている様子)を描出することを期待した。医師の読影によると、上腕骨尺骨神経周辺に液体貯留がみられた。やや甘い所見であるが、これを神経損傷もしくは絞扼の原因と主張した。しかし、肝心の神経伝導速度検査では有意な数値は得られなかった。 したがって、受傷機転の詳細な説明に加え、症状の経過をつぶさに説明=症状の一貫性を訴える方針に転換、14級9号に標準を絞った。

結果は「客観的な医学的所見には乏しく・・」も、受傷様態、症状推移、治療経過から14級9号を認めて頂いた。こちらの意図と回答が一致した結果となった。

(平成27年2月) 

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 異議申立ては等級の変更を主張するだけではありません。稀に同じ等級でも、誤った号が認定されることがあります。  これは調査事務所の単なるミスジャッジというより、提出した医証が不明瞭、不十分であるために起こります。12級であれば何号であっても自賠責保険金は同じ224万円です。しかし、号、つまり障害の系統は後の賠償交渉上、逸失利益の年数に大きく影響します。判例から12級13号(神経症状)は10年程度ですが、7号(機能障害)となれば67歳まで見込めます。若い被害者であれば差が何百万円にもなるのです。    号の変更申請はたまにあります。問題は等級が上がらないので私の成功報酬がないことです(泣)。   lachman ⇐ ラックマンテスト

12級13号⇒12級7号:脛骨近位端骨折 異議申立(40代男性・静岡県)

【事案】

 原付バイクでT字路前で停止中、左方より右折してきた自動車の衝突を受け受傷。その際、左膝脛骨を骨折した。骨折部をプレート、スクリューで固定し、1年半後に抜釘した。その後、リハビリを続けるものの、外出時に装具が必要で、疼痛も改善しなかった。さらに半年後に症状固定、後遺障害申請を行ったが、結果は12級13号。神経症状の評価に留まった。

【問題点】

 委任を受けた弁護士より、異議申立の依頼を受けた。まずは読影である。装具を必要とするほどの症状であれば、靭帯の損傷を最初にチェックしなければならない。また、骨癒合状態に相応の変形、転位があるか、関節面の不整等も抑えるべきである。やはりと言うか、CT、CR上で骨折した骨頭部が斜め下後方に転位している様子が確認できた。これを膝の不安定性の原因に加え、検査のやり直しを進めた。

【立証ポイント】

 まず最初に主治医と面談、事情を説明して立証作業の理解を得た。  MRIの再検査及びストレスXPを施行、靭帯を観察した。それらに動揺性をきたす程度の異常は認められなかった。関節面の不整は既にCT上で明らかだが、改めて確認できた。  次に伸展硬縮(膝がまっすぐ伸びない)による短縮障害も追求、下肢長の計測も加えた。左右の関節裂隙に差があるものの、脛骨自体の短縮は計測できなかった。 続きを読む »

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