新年度です。事務所は相変わらず人員不足、もはや人材発掘は常態的な業務です。メディカルコーディネーターはその発掘はもちろん、養成に大変時間がかかります。

 「行政書士も交通事故の専門家」などと喧伝しているHPを目にしますが、そんな簡単に専門家を名乗っていいのか疑問です。なぜなら交通事故は行政書士試験はおろか、通常の行政書士業務に全くと言っていいほど関わりがありません。交通事故業務を行っている先生方は皆、独自の経歴・努力の結果から携わっている非常にニッチな存在です。わずかの研修に参加したところで扱える業務ではありません。まして専門家を名乗るのは蛮勇以外の何物でもありません。

 したがって、資格者であろうとなかろうと一からみっちり教えていくしかないのです。法律知識は必須ではありません。何故なら法律問題は弁護士に任せています。弁護士と連携して仕事をしていますので、行政書士の知識や権能が必要となる場面は極めて少ないのです。当然ですが、医療知識、それに保険知識が必要です。そして、医証の収集、調査業はむしろ人の機微を理解した営業マンの能力が求められます。医師・弁護士・被害者をつなぐ調整力がものをいうのです。

   前置きが長くなりました。補助者の山本も1年にわたる修行を経て、実戦活動中です。そこで強化の一環として、経験したことを整理する意味で新年度から業務日誌を週一投稿するよう業務命令をだしました。実戦で学んだことを実力とする過程で、文章にまとめることは大変効果的です。私も4年間毎日励行したことで非常に力が付いたと実感しています。

 タイトルの意味ですが、古い話で恐縮、ウルトラセブンからの引用です。モロボシダンがウルトラセブンに変身できない時に、替わってカプセル怪獣(ウインダム、ミクラス、アギラ)が戦ってくれました。つまり、私が日誌を投稿できない時に替わりに投稿させるようにします。これで私も週1日は変身しないで済みます。 kapuse  およそ週1の登場ですが、カプセル怪獣山本の日誌もどうかご笑覧、応援よろしくお願いします。明日、第一弾を投稿します。ジュワッ! seven続きを読む »

【事案】

バイクで渋滞の2車線道路の間を走行中、左側の自動車が急に車線変更したため衝突、右手首、左手甲を骨折したもの。その後、1年の通院を経て症状固定前に相談会に参加された。

【問題点】

まず画像である。粉砕骨折した橈骨を確認、骨折の割に癒合状態はまずまず。続いて可動域の計測をしたところ4分の3制限を計測。以上から12級6号を予断したが、これではあまりにも普通の対応。数多くの相談先から私たちを選んでいただいたが、期待に応えることができたのか?何か物足りなさを感じた。

【立証ポイント】

橈骨骨折3w2相談会後、画像を改めて読影したところ尺骨の茎状突起部が骨片化していることに気付いた。もちろん診断名はない。これは以前にも経験したパターン。早速、主治医に面談し、指摘したところ「あ、確かに骨片化しているね。これは手首に深刻な影響はないけど、診断名が必要なの?」と。そこで、後遺障害診断書に「尺骨茎状突起部骨折、癒合不良、骨片化」と改めて記載、長管骨の変形欄に「イ 仮関節」に〇をしていただいた。

これでお解りと思いますが、変形の12級8号が加算されます。人体への影響や治療上軽視されようが立派な後遺障害、可動域制限12級と併合、11級とした。おまけに左手の中手骨骨折には神経症状の14級9号も付けた。

余すところなく後遺障害を拾い出す・・これは治療を行う医師とは違う視点です。画像を観ない法律家に相談していたら12級に留まり、数百万円を失うことになったのです。

※ XPはサンプル画像

(平成26年10月)  

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 骨折の状態から10級10号を前提に立証作業を進めた模範的な例です。

 しかし、常に自問しています・・「本件のような骨折と癒合の状態であれば、私たちのようなメディカルコーディネーターがお手伝いしなくても、認定結果は同じであった?」  実績ページでは華々しい逆転劇が多い一方、割と地味な作業例も存在します。すべてに依頼の効果はあったのか?

 患者自ら医師に診断書の記載をお願いし、事前認定(相手保険会社に診断書を提出して自賠責の審査機関に申請してもらう)で進めても、特に問題なく10級が認定されたかもしれません。それでは業者に払ったお金は無駄であったのでしょうか?

 答えは依頼者の言葉から・・「自分で等級認定を進めようと思いましたが、何か間違いがあって等級が低くなれば何百万円も損してしまうのでしょう?だからお金がかかろうと秋葉さんにお願いしたい。大変なケガで苦しみ、リハビリで苦労して、賠償金も損したのであれば目も当てられないです。万が一を考えれば安心ですから・・」

 もちろん判断は人それぞれです。ちなみに本件の依頼者様は損保会社勤務の方でした。一層、(業者に依頼した)判断に重みを感じます。   あんしん

10級10号:橈骨遠位端粉砕骨折(40代男性・東京都)

【事案】

バイクで交差点を直進中、対向右折自動車と衝突して右手首を骨折したもの。救急搬送後、プレート固定とした。理学療法を継続、半年後に症状固定を迎えた。

【問題点】

相談会で計測のところ、掌屈+背屈が2分の1ギリギリの数値であった。また、画像上、変形・転位など、癒合状態の説明が必要であった。

【立証ポイント】

医師面談にて、癒合状態にやや変形が残ること、手根骨に骨挫傷があることなど、詳細な記載を促した。計測もしっかり見守り、間違いのない数値を記録した。

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【事案】

ツーリング中、後続バイクの追突で転倒、右下肢の脛骨・腓骨を開放骨折。創外固定、受傷部の皮膚移植を施行。その後、危惧していた感染症を併発し、治療は2年以上を要した。既に弁護士に委任も、症状固定を前に後遺障害の医証まとめに特化した依頼を受けた。

【問題点】

重傷で苦しんだ以上、等級の取りこぼしは許されない。できうる最大の等級獲得を検討した。脛骨・腓骨が近位端骨折であるゆえに膝関節の可動域制限12級は余裕で立証できる。醜条痕も見ての通り。しかし、本件の問題は足関節の可動域制限の原因であり、その究明が必要であった。

【立証ポイント】

主治医と共に改めて読影を行い、脛腓骨・骨頭部の交差部の癒着が原因であると結論、それを診断書に落とし込んだ。足関節の機能に腓骨頭の可動が影響することを学んだ。これで膝関節と足関節でそれぞれ12級7号を確保、11級相当とした。

続いて醜条痕を写真撮影、別紙にて詳細に大きさを計測・記載、万全の医証で提出した。その後、醜状痕の面接には念のため弁護士の立会いをお願いした。

結果、醜状痕でも12級相当をゲット、併合10級にまとめた。これがお金を頂くプロの仕事。

※ 併合のため分離しています

(平成27年1月)  

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【事案】

自転車で道路を横断中、右方よりの自動車に衝突を受け、腓骨を骨折したもの。腓骨は保存療法とし、リハビリを継続、半年後に症状固定とした。

【問題点】

受傷初期からの受任なので、人身事故の届出で警察に同行、健保切替え手続き等のフォロー、主治医面談及びリハビリ計画など、順調に解決まで誘導できた。 相談・受任が早ければ、すべてにわたり先手を打てるので問題は起きない。

【立証ポイント】

骨折の癒合が良好でも痛みや不具合は残る。申述書等を添えてしっかり14級9号を抑え込む医証を揃えた。意外だったのは「挫創」の診断であった足関節も同じく9号がついたことです。おそらく受傷後~症状固定までの写真添付から、痛みの重篤度を勘案していただけたのでしょう。

(平成26年4月)  

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【事案】

ツーリング中、後続バイクの追突で転倒、右下肢の脛骨・腓骨を開放骨折。創外固定、受傷部の皮膚移植を施行。その後、危惧していた感染症を併発し、治療は2年以上を要した。既に弁護士に委任も、症状固定を前に後遺障害の医証まとめに特化した依頼を受けた。

【問題点】

重傷で苦しんだ以上、等級の取りこぼしは許されない。できうる最大の等級獲得を検討した。醜条痕は写真を提出するだけ。しかし、面接は避けられないであろう。

【立証ポイント】

醜状痕の面接には連携弁護士の立会いをお願いした。事前に打合せしておいた通りなので問題なく12級相当をゲット、下肢の11級を併合10級に引き上げた。これがお金を頂くプロの仕事。

※ 併合のため分離しています

(平成27年1月)  

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 10回にわたり下肢実績を投稿しましたが、続いて上肢、とくに手首~上腕を特集してみましょう。

 まずは読影力が光った実例です。繰り返し言っていますが、治療を目的とする医師の読影と後遺障害を立証する私たちの読影は視点が違います。診断書を医師任せにした結果、多くの被害者は後遺障害を取りこぼしていると危惧しています。被害者さんは相談先を選ぶ際、その法律家が画像を観ているのか否かはもちろん、できれば読影力を推し量るべきと思います。「主治医に診断書を書いて来てもらって、内容を精査してから審査に提出するから」としか言わない相談先は不安ですよ。

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併合11級:橈骨遠位端粉砕骨折(40代男性・神奈川県)

【事案】

バイクで渋滞の2車線道路の間を走行中、左側の自動車が急に車線変更したため衝突、右手首、左手甲を骨折したもの。その後、1年の通院を経て症状固定前に相談会に参加された。

【問題点】

まず画像である。粉砕骨折した橈骨を確認、骨折の割に癒合状態はまずまず。続いて可動域の計測をしたところ4分の3制限を計測。以上から12級6号を予断したが、これではあまりにも普通の対応。数多くの相談先から私たちを選んでいただいたが、期待に応えることができたのか?何か物足りなさを感じた。

【立証ポイント】

相談会後、画像を改めて読影したところ尺骨の茎状突起部が骨片化していることに気付いた。もちろん診断名はない。これは以前にも経験したパターン。早速、主治医に面談し、指摘したところ「あ、確かに骨片化しているね。これは手首に深刻な影響はないけど、診断名が必要なの?」と。そこで、後遺障害診断書に「尺骨茎状突起部骨折、癒合不良、骨片化」と改めて記載、長管骨の変形欄に「イ ...

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 今日は行政書士事務所を訪ねて新宿へ(日誌の書き込みが遅れていますので本日ではありませんが)。同じ行政書士でも扱う業務が違えばまったく別業種となります。色々とお話が聞けて勉強になりました。

 帰りは家電店で事務所の備品を購入しました。事務機器も日進月歩です。この春から事務所のパソコンを増設、システムを拡充中です。

 さらに、まだ明るかったのですが銀座ライオンでビールとソーセージを頂きました。10年くらい前にミュンヘンに行った時、仕事中の昼休みでも皆ビールを飲んでいたことを思い出しました。ドイツ人曰く「ビールは昼間に飲むもんだよ」・・確かに昼間のビールは美味しいです。

 やや赤ら顔で中央線で東京駅に戻しました。昔、営業の足は自動車一辺倒でしたが、今は電車・バスとたまにタクシー。つまり、都内にいるとドイツ人のように空き時間にビールが飲めます。当然ですが仕事中は遠慮していますよ。

2015032718150000  PM7:00東京駅 ようやく空は深いブルーに  

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 下肢の未投稿実績はまだ残っていますが、キリがいいのでシリーズはここまでにします。最後は、そのまま申請したら併合11級であったであろう案件を一つ引き上げた仕事です。等級一つでも数百万円賠償金が膨らみます。特別に私に依頼下さった弁護士先生&被害者さまの期待に応えることができました。

kaihou  本件はガステロ分類タイプⅢA(真ん中)

併合10級:脛骨・腓骨近位端骨折・下肢醜状痕(40代男性・神奈川県)

【事案】

ツーリング中、後続バイクの追突で転倒、右下肢の脛骨・腓骨を開放骨折。創外固定、受傷部の皮膚移植を施行。その後、危惧していた感染症を併発し、治療は2年以上を要した。既に弁護士に委任も、症状固定を前に後遺障害の医証まとめに特化した依頼を受けた。

【問題点】

重傷で苦しんだ以上、等級の取りこぼしは許されない。できうる最大の等級獲得を検討した。脛骨・腓骨が近位端骨折であるゆえに膝関節の可動域制限12級は余裕で立証できる。醜条痕も見ての通り。しかし、本件の問題は足関節の可動域制限の原因であり、その究明が必要であった。

【立証ポイント】

主治医と共に改めて読影を行い、脛腓骨・骨頭部の交差部の癒着が原因であると結論、それを診断書に落とし込んだ。足関節の機能に腓骨頭の可動が影響することを学んだ。これで膝関節と足関節でそれぞれ12級7号を確保、11級相当とした。

次に、実際に動かして検証してみた

続いて醜条痕を写真撮影、別紙にて詳細に大きさを計測・記載、万全の医証で提出した。その後、醜状痕の面接には念のため弁護士の立会いをお願いした。

結果、醜状痕でも12級相当をゲット、併合10級にまとめた。これがお金を頂くプロの仕事。  

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【事案】

現場への移動で自動車に同乗中、高速道路で追突事故となった。自動車の前部は潰れ、しばらく自動車から脱出できない状態になってしまった。腰椎は破裂骨折、右下肢はダッシュボードに挟まれ、脛骨骨幹部、腓骨骨頭を骨折した。さらに、第2~5中足骨を骨折、リスフラン関節部脱臼を伴った。

緊急入院し、それぞれ手術で骨折部を固定した。1年にわたるリハビリでなんとか杖をついて歩けるようになった。

【問題点】

本人は「治るまで症状固定はしない」と、仕事へ復帰する執念をもっていた。しかし、腰の可動は失われ、右足へ全体重の荷重は困難であれば現場仕事は無理である。後遺障害の認定へ向けて切り替えるよう説得を続け、納得した上で依頼を受けた。

また、職場では労災事故としてもらえず、任意保険の対人賠償も運転者が同僚であるため免責、人身傷害保険のみの対応であった。

【立証ポイント】

まず、医師面談し詳細に診断書内容を打合せ、続いて理学療法士と共に腰部、下肢の関節可動域を時間をかけて丁寧に計測した。受傷様態、癒合状態からすべての関節で「用廃」は確保できるので計測ミスを防ぐことに注力した。

しかし、医師が診断書をなかなか記載せず、3か月待たされることに。症状固定後の休業損害が得られない状態は経済的に厳しい。連携弁護士より傷害部分の慰謝料を先行請求してしのいだ。その間、再び病院へ足を運び、診断書記載を急かした。

結果は足関節の「用廃」で8級7号、足趾は「1足の足指の全部の用を廃したもの」9級15号で、脚全体は7級相当とした。腰も当然に8級2号を確保、結果、併合5級とした。

賠償交渉は使用者への賠償額より人身傷害保険からの支払額が逸失利益上有利なため、連携弁護士は人傷への請求で切り上げた。

c_h_23本件はこれで終わりではない。労災について、勤務先、元請先に働きかけて請求を進めている。下請業者は元請会社の顔色をうかがって労災を使わせないことが日常的なのです。労災を使わせない業界の悪癖を打破すべく、ケンカ腰でそれぞれ交渉を継続、相手(職場)が弁護士を立てようが、こちらも適時弁護士を入れてしぶとく労災使用を促した。

労災でも併合5級を目指す必要がある。働けなくなった今、労災の年金支給を諦めるわけにはいかないのです。

※ 併合の為、分離しています

(平成27年2月)  

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【事案】

自転車で交差点を横断中、左折するトレーラーに巻き込まれ、右手関節(尺骨遠位端、手根骨、第二中手骨)、右足関節(両顆部)を骨折した。手関節、足関節共にプレート固定を施行した。

【問題点】

本人の回復努力と長期のリハビリから、ケガの重篤度の割に骨癒合は良好、回復は順調であった。医師も可動域制限など残さずに治す執念を持っていた。それは当然のことであるが、これだけのケガで後遺障害を残さず完治するわけはない。中途半端な回復で手首12級、足首12級の併合11級の可能性があった。

【立証ポイント】

適切な時期に相当の等級に収めるべく、病院に同行し症状固定に進める。また関節可動域計測に立ち合い、面倒がる医師に計測を促す。また、可動域制限の原因として骨折だけではなく、アキレス腱の手術について術式内容をしっかり記載いただいた。これが足関節の可動域に影響しているとみたからである。10級レベル(2分の1制限)の等級を確保するにあたり、「骨癒合良好」では可動域制限の説明とならない。 さらに申請後、足関節部の醜状痕の大きさについて計測の依頼があり、同じく病院同行して測っていただいた。結局、医師もこちらの熱意に根負け、重ねて協力していただけた。

結果は機能障害で10級11号、醜状痕でも14級5号を確保。これに、手関節の10級10号が併合され併合9級とした。目標通りの等級に届いた。

(平成26年5月) ※ 併合の為、分離しています     

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 毎度、早めの相談を呼びかけております。初期からの受任で安心して解決まで進んだ例を紹介します。  本件は受傷10日後からの相談・受任でしたので、すべて順調、つまづくことなく症状固定→等級認定→弁護士引継ぎ→解決が図れました。被害者は治療・リハビリの苦労だけではなく、事故に関する諸手続きで解決まで大変な手間とストレスにさらされます。本来、静かな環境で治療に専念すべきなのです。いらぬ心労は回復に障ります。そのような意味でもメディカルコーディネーターの役割は重要であると自負しています。 tc2_search_naver_jp

併合14級:腓骨骨幹部骨折・足関節挫創(60代女性・千葉県)

【事案】

自転車で道路を横断中、右方よりの自動車に衝突を受け、腓骨を骨折したもの。腓骨は保存療法とし、リハビリを継続、半年後に症状固定とした。

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【事案】

バイクで交差点を青信号で直進中、信号無視の自転車が横断してきた。それを避けようと転倒し、右足関節の外顆を剥離骨折、後距腓靭帯を損傷、手関節もTFCC損傷の疑いがあった。

【問題点】

相手は自転車で、なおかつ非接触の事故であり、まったく賠償交渉の進展がないまま相談会に参加された。外傷についてはCTやMRIを撮っておらず、診断名があやふやで後遺障害が絞りきれなかった。まして、自賠責保険のような申請先がなく、そのまま相手加入の個人賠償責任保険への請求なので難航が予想された。

【立証ポイント】

同時並行して連携弁護士に個人賠償保険社への交渉を依頼した。非接触による過失減額が争点となったが、それ以上に後遺障害の残存が問題となった。それについては主治医と面談し、MRIの追加検査とリハビリ記録を精査するなど進めたが、微妙な所見に留まり、医証をまとめるのに苦慮した。

結局、訴訟に発展し、足関節は12級13号の賠償となった。後遺障害の立証は今一つであったが、非接触事故で相手自転車から1000万円超の賠償金を取ったことは評価できると思う。

(平成26年9月)  

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【事案】

自転車で交差点を横断中、対向右折自動車の衝突を受け転倒、左脛骨を骨折した。直後、プレート固定を施行、抜釘は1年後。その間、リハビリで膝関節の機能回復を図るも、相当に制限が残ってしまった。

【問題点】

相談会では2分の1以下はおろかほぼ用廃レベル。画像上、関節面にやや不整があるものの、それ程の可動域制限はあり得ない。本件は廃用性症候群、つまり、リハビリをサボったケースと思った。であるならば、計測値通りの認定は困難となる。原因を究明する病院同行となった。

【立証ポイント】

早速、主治医に面談し、理学療法士の可動域計測にも立ち会った。やはりというか、理学療法士の記録を見るとリハビリ中に相当の回復は図られていた。これでは機能障害は認められない。8級はおろか10級も認められないことを、申請前に十分に言って聞かせた。

結果は痛みや不具合について12級13号の認定。調査事務所の判定は正しい。これが妥当な結果である。可動域制限は自力回復を続けるよう、厳しく諭した。

(平成26年9月)   

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 重傷事案です。立証作業は丁寧に進めれば目標等級に届くものの、本件最大の問題は労災の不使用です。さらに運転者は同僚なので自動車任意保険の対人賠償は「同僚災害免責」となってしまいます。まず基本通り、全画像を確保・精査し、可動域計測を正確に実施した。続いて自賠責に被害者請求、等級を固めた。その後は以下の文章通り。加害者や保険からの賠償金より、労災の年金支給が最大のターゲットとなります。被害者救済業とは「等級認定」と「賠償金の獲得」だけでは終わらないのです。

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7級相当:脛骨・腓骨・第2~5趾リスフラン関節脱臼骨折(60代男性・千葉県)

【事案】

現場への移動で自動車に同乗中、高速道路で追突事故となった。自動車の前部は潰れ、しばらく自動車から脱出できない状態になってしまった。腰椎は破裂骨折、右下肢はダッシュボードに挟まれ、脛骨骨幹部、腓骨骨頭を骨折した。さらに、第2~5中足骨を骨折、リスフラン関節部脱臼を伴った。 緊急入院し、それぞれ手術で骨折部を固定した。1年にわたるリハビリでなんとか杖をついて歩けるようになった。

【問題点】

本人は「治るまで症状固定はしない」と、仕事へ復帰する執念をもっていた。しかし、腰の可動は失われ、右足へ全体重の荷重は困難であれば現場仕事は無理である。後遺障害の認定へ向けて切り替えるよう説得を続け、納得した上で依頼を受けた。 続きを読む »

【事案】

自転車で交差点を横断中、対向左折自動車の衝突を受け、左足首を骨折した。脛骨、腓骨共に骨幹部を開放骨折、直後にプレート固定術を施行した。

【問題点】

医師の処置、特に手術は非凡な腕であった。おかげで回復は良好、可動域制限を残さず症状固定を迎えた。そうなると痛みやその他不具合を観察することになる。

【立証ポイント】

やはり可動域が回復したとしても正座はもちろん、極端な可動には無理がある。症状を丁寧に診断書に落とし込み、また開放創と手術痕を写真に撮り、醜状痕も加えるようにした。 結果は神経症状で12級13号、醜状痕で14級5号の併合12級となった。おまけの14級と言えど逸失利益の伸長に重要、12級13号の喪失率14%で10年間、さらに67歳まで喪失率5%を請求するからです。

(平成26年5月)   

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【事案】

歩行中、道路を横断の際、対向右折車に右足甲をひかれた。

【問題点】

レントゲンから初診の診断名は「右足打撲」。その後、転院先の病院で腰椎捻挫が加わる。足の痛みが尋常ではない事から、MRIで靭帯を観察、そこで中足骨の不全骨折が加わった。しかし、私が観たところ骨折は微妙、調査事務所もこれでは認めないであろうと予想した。初期の診断名が不確実、かつ後遺障害の狙いが絞れない・・

【立証ポイント】

知人の紹介を受けて受任、足と腰、共に神経症状の14級9号を念頭に立証作業を進めた。受傷から一貫した症状の推移を診断書に落とし込み、骨折の有無にはこだわらないようにした。さらに腰のMRIも施行、腰椎捻挫の14級を保険とした。

結果は足=”打撲による”、腰=”捻挫による”14級9号が認められ、併合14級となった。治療と立証作業を計画的に進めれば、調査事務所は曖昧な診断名でもきちんと見てくれるのです。

(平成25年10月)  

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【事案】

私道を横断のところ自動車にはねられ太ももを骨折した。

【問題点】

日々成長著しく、骨折部はさすがに仮骨形成が良好であった。問題は仮骨部の変形が外見上に影響なく後遺障害とならない事、そして、子供さん特有の「病院嫌い」から治ったと言い張ること。また、成長期の症状固定は将来の成長障害の懸念から遅れがちであることがあげられる。心配をよそに数年も経てば障害は目立たなくなることが多い。

【立証ポイント】

機能障害や変形は見込めない。狙いを安易に神経症状に求めず、短縮障害に絞った。成人までは左右差は解消すると期待できるが、しばらくは1cm程度の差は続くはずである。主治医にCR上で大腿骨の計測をしていただき、しっかり13級を確保した。

(平成26年5月)  

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【事案】

2輪車の後部座席に搭乗、交差点を直進中、対向右折車と衝突したもの。

大腿骨の骨幹部と遠位端外顆、膝蓋骨を骨折、髄内釘で固定した。膝部は開放骨折であたことから感染症の観察と癒合で1年、膝関節可動域の回復でさらに1年のリハビリを要した。 【問題点】

本人の努力で可動域の回復は良好、このままでは12級13号止まり。ケガの重篤度からなんとしても可動域制限の7号を抑えたかった。

【立証ポイント】

早速、リハビリ先の医師に面談した。事情をご理解いただき、可動域の計測と診断書の記載を速やかに行った。膝関節可動域は「健側140°患側105°」と記録、ギリギリの数値で12級7号とした。

(平成25年7月)  

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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