続いて上肢の重症例を。

 骨の癒合が悪く、痛みから動かさず安静を長く続けた結果、関節が廃用性症候群となって可動域が回復しない・・このような悪循環をよく目にします。これは高齢者に多く、ケガの割に障害が重くなってしまうことがあります。一般にはリハビリをサボった廃用性症候群による関節可動域制限は厳しく見られます。やはり被害者には回復努力が求められます。リハビリが辛くとも甘えは許されません。しかし、本例はその逆のケース。この被害者の回復努力は称賛に値します。しかし、並外れた努力の結果、低い等級=低い賠償金になってしまう・・これは理不尽と思います。回復には個人差があります。そして何事も頃合いが大事、タイミングを逃してはなりません。

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併合9級:鎖骨・肩甲骨骨折(30代男性・埼玉県)

【事案】

バイクで直進中、後方より追い越ししてきた自動車が急に左折したため接触、転倒したもの。その際、右の鎖骨・肩甲骨・肋骨・橈骨・尺骨を骨折した。

【問題点】

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 高次脳機能障害は9級~1級の評価で、すべてシングル等級となります。やはり作業量が多くなりますが、昨年は特にボリュームのある案件を担当しました。この分野、立証と賠償すべてに完璧な弁護士事務所は私が知る限り3つしかありません。弁護士の先生方に意見具申、完璧・確実な立証作業を目指すなら遠慮なく私にお声掛け下さい。実際、今年に入って早速、首都圏だけでなく九州の弁護士事務所からも高次脳案件の相談を頂いております。喜んで力を貸しますよ!

enge⇐ 嚥下造影検査(サンプル画像)

併合6級:高次脳機能障害・大腿骨骨折(10代女性・千葉県)

【事案】

 8年前に自動車事故で両大腿骨、恥骨を骨折、頭部は外傷性くも膜下出血となる。本人・家族は後遺症を残さないことを目標、治療に全力を注ぎ、以後の小中高校生活をリハビリで過ごすことになる。しかし、歩行や生活全般に様々な不具合を残すが完治ならず。ようやく賠償問題解決に進む決意のもと相談会に参加された。

【問題点】

 長い治療年数から症状はある程度回復をみせ、微妙な検査数値・画像ばかりで後遺障害の的が絞れない。つまり、本件最大の問題ははっきりした等級に集約できないことであった。画像の保管期間5年も超過しており、集積に苦労の連続、完全取得とはならなかった。もっとも成長に伴って変化するので、頭部、骨折部すべて撮り直しを行った。

【立証ポイント】

 嚥下障害は口腔外科でVF検査を実施、脳神経外科では視覚認知検査、神経心理学検査を数種、整形外科では下肢のXP、CT検査を実施、耳鼻科ではT&Tオルファクトメーター検査、醜条痕の写真撮影・・・立証作業のオンパレード。あらゆる可能性を排除せず、徹底的な検査を重ねに重ね、病院同行は18回に及んだ。

 結果は神経症状をすべて高次脳機能障害の7級に包括して評価、下肢は短縮の13級8号と股関節の可動域制限12級7号が併合された。特に嚥下障害(11級レベル)、嗅覚障害(14級レベル)、めまい・ふらつき(12級13号レベル)・・など多くの症状から9級評価を7級に押し上げた感がある。立証側も大変だったが、調査事務所の柔軟かつ誠実な評価にお疲れさまと言いたい。

 弁護士に引継ぎ後の賠償交渉も、相手保険会社は請求額全額をあっさり認め、異例の全面勝利。また、家族契約の人身傷害保険に請求した過失分も「人傷先行するぞ!(人身傷害を先に請求する)」と強硬姿勢を見せた弁護士に対し、こちらも裁判基準での支払いを容認した。このように立証が強固であれば、弁護士の戦いも強力な論陣が展開できる。複雑かつ年数が経っている本件は、保険会社も反証にうんざりだからだろう。  被害者とご家族にとって長く険しいリハビリと立証作業だったが、その苦労は賠償の完全勝利で結実した。  

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【事案】

8年前に自動車事故で両大腿骨、恥骨を骨折、頭部は外傷性くも膜下出血となる。本人・家族は後遺症を残さないことを目標、治療に全力を注ぎ、以後の小中高校生活をリハビリで過ごすことになる。しかし、歩行や生活全般に様々な不具合を残すが完治ならず。ようやく賠償問題解決に進む決意のもと相談会に参加された。

【問題点】

長い治療年数から症状はある程度回復をみせ、微妙な検査数値・画像ばかりで後遺障害の的が絞れない。つまり、本件最大の問題ははっきりした等級に集約できないことであった。画像の保管期間5年も超過しており、集積に苦労の連続、完全取得とはならなかった。もっとも成長に伴って変化するので、頭部、骨折部すべて撮り直しを行った。

【立証ポイント】

嚥下障害は口腔外科でVF検査を実施、脳神経外科では視覚認知検査、神経心理学検査を数種、整形外科では下肢のXP、CT検査を実施、耳鼻科ではT&Tオルファクトメーター検査、醜条痕の写真撮影・・・立証作業のオンパレード。あらゆる可能性を排除せず、徹底的な検査を重ねに重ね、病院同行は18回に及んだ。  enge(参考画像:嚥下造影検査) 結果は神経症状をすべて高次脳機能障害の7級に包括して評価、下肢は短縮の13級8号と股関節の可動域制限12級7号が併合された。特に嚥下障害(11級レベル)、嗅覚障害(14級レベル)、めまい・ふらつき(12級13号レベル)・・など多くの症状から9級評価を7級に押し上げた感がある。立証側も大変だったが、調査事務所の柔軟かつ誠実な評価にお疲れさまと言いたい。

弁護士に引継ぎ後の賠償交渉も、相手保険会社は請求額全額をあっさり認め、異例の全面勝利。また、家族契約の人身傷害保険に請求した過失分も「人傷先行するぞ!(人身傷害を先に請求する)」と強硬姿勢を見せた弁護士に対し、こちらも裁判基準での支払いを容認した。このように立証が強固であれば、弁護士の戦いも強力な論陣が展開できる。複雑かつ年数が経っている本件は、保険会社も反証にうんざりだからだろう。

被害者とご家族にとって長く険しいリハビリと立証作業だったが、その苦労は賠償の完全勝利で結実した。

(平成26年6月)  

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【事案】

駐車場内で着替え中、自車と駐車しようと後進してきた自動車に脚を挟まれ受傷。脛骨近位端不全(≒挫滅)骨折となる。足関節、足指の自動運動がほぼ不能となる。

【問題点】

ポキンと折れた骨折より深刻な障害を残すケースである。筋電図、神経伝達速度検査の数値は一定の麻痺を計測、しかし下腿の広範囲に筋組織の挫滅、瘢痕化もある。腓骨神経麻痺とコンパートメント症候群双方の障害と認識して立証作業に入る。7級ともなれば、曖昧な医証など提出できない。東京-札幌の飛行機往復が続く。   

【立証ポイント】

リハビリ先のPTさんがマメで下腿周径の定期計測を記録していた。それならばと、足関節はもちろん、手間のかかる足指すべての計測を共同作業で行う。さらに、実施・提出する検査結果を主治医と綿密に打合せした。とくに診断名の特定、絞込みには医師と一緒に悩んだ。

万全に医証を揃えて提出した結果、7級を抑え込む。また、下肢の装具をオーダーメイドで制作し、費用明細と写真を添えて弁護士に引き継いだ。このように準備万全であれば賠償交渉も好調に進む。

「全国対応」とうたいながら文章のやり取りで済ます専門家が多い中、被害者の一生がかかっている大事な局面に飛行機代など気にしていられない。地の果てまでも病院同行! 看板に偽りなしの対応をさせて頂いた。

(平成26年10月)  

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【事案】

8年前に自動車事故で両大腿骨、恥骨を骨折、頭部は外傷性くも膜下出血となる。本人・家族は後遺症を残さないことを目標、治療に全力を注ぎ、以後の小中高校生活をリハビリで過ごすことになる。しかし、歩行や生活全般に様々な不具合を残すが完治ならず。ようやく賠償問題解決に進む決意のもと相談会に参加された。

【問題点】

長い治療年数から症状はある程度回復をみせ、微妙な検査数値・画像ばかりで後遺障害の的が絞れない。つまり、本件最大の問題ははっきりした等級に集約できないことであった。画像の保管期間5年も超過しており、集積に苦労の連続、完全取得とはならなかった。

【立証ポイント】

画像をなるべく集めた。もっとも成長に伴って骨の状態も変化するので、頭部から下肢まで骨折部をすべて撮り直した。さらに下肢長差の計測も、医師にうるさがれつつも強引にお願いした。

高次脳機能障害他、神経系統の障害は7級4号の認定となった。これに下肢短縮の13級8号と股関節の可動域制限12級7号が併合され、併合6級とした。

※ 併合のため分離しています。

(平成26年6月)  

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 昨年は下肢の重症例も多かった。現在もシングル等級必至の下肢案件を4件お預かりしています。いずれの賠償金も高額であり、弁護士の賠償交渉を睨んだ立証作業となります。 c_h_17-2

7級相当:腓骨神経麻痺・コンパートメント症候群(30代男性・北海道)

【事案】

駐車場内で着替え中、自車と駐車しようと後進してきた自動車に脚を挟まれ受傷。脛骨近位端不全(≒挫滅)骨折となる。足関節、足指の自動運動がほぼ不能となる。

【問題点】

ポキンと折れた骨折より深刻な障害を残すケースである。筋電図、神経伝達速度検査の数値は一定の麻痺を計測、しかし下腿の広範囲に筋組織の挫滅、瘢痕化もある。腓骨神経麻痺とコンパートメント症候群双方の障害と認識して立証作業に入る。7級ともなれば、曖昧な医証など提出できない。東京-札幌の飛行機往復が続く。

【立証ポイント】

リハビリ先のPTさんがマメで下腿周径の定期計測を記録していた。それならばと、足関節はもちろん、手間のかかる足指すべての計測を共同作業で行う。さらに、実施・提出する検査結果を主治医と綿密に打合せした。とくに診断名の特定、絞込みには医師と一緒に悩んだ。

万全に医証を揃えて提出した結果、7級を抑え込む。また、下肢の装具をオーダーメイドで制作し、費用明細と写真を添えて弁護士に引き継いだ。このように準備万全であれば賠償交渉も好調に進む。

「全国対応」とうたいながら文章のやり取りで済ます専門家が多い中、被害者の一生がかかっている大事な局面に飛行機代など気にしていられない。地の果てまでも病院同行! 看板に偽りなしの対応をさせて頂いた。

 

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【事案】

交差点で青信号を自動車で直進中に、信号無視をした自動車に出会い頭衝突されたもの

【問題点】

相談時、MRIを撮影していなかった。

バレ・リューを思わせる症状が非常に多く、ペインクリニックの併用が必要であると思われた。心療内科に通っておられた。

【立証のポイント】

麻酔科も併設している整形外科をご紹介し、そこでリハビリ通院をしていただいた。また、MRI撮影を依頼し、画像を分析した。

通院実績の積み上げについてアドバイス行い、症状固定時には医師面談を行い後遺障害診断書の作成においてご協力を仰いだ。

事故態様がやや不利な状況と思われたため、現れている症状についてどこまで信用性を高めることができるかがポイントであった。14級9号が認定される。

(平成27年1月)

 

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 書きたいネタはたくさんありますが、新年からは昨年認定されたシングル等級をいくつか紹介しましょう。シングル等級とは1級から9級、一桁の等級を指します。やはり重傷の区分に入ります。弊事務所では比較的、重傷案件を多く受任しています。単に等級申請するだけではなく、弁護士と一緒に様々なサポートが必要となります。  

8級2号:第2頚椎骨折(70代女性・埼玉県)

【事案】

自動車の助手席に搭乗中、交差点で信号無視の自動車に左方より側面衝突を受け、受傷。第二頚椎を骨折、スクリュー2本で軸椎・環椎を固定した。

【問題点】

受傷箇所は命に係わる部位、医師は第1~2頚椎の安定を最優先とした。当然なが頚部の可動域は半分以上失われた。それでもリハビリ努力でかなりの回復を見せたと言える。また、比較的高齢であるので、スクリューを抜釘しないものと思っていたが、医師は1年半後に抜釘を行った。これが可動域の回復にどの程度影響するか・・2分1の以下の可動域制限で8級となる。可動域制限の理由を明らかにすることが本件のミッション。

【立証ポイント】

CT画像を精査すると軸椎と環椎の不自然な癒合がみられた。医師にそれを指摘すると、スクリュー固定中に両頚椎間の一部が不正癒合したと判断された。これを後遺障害診断書に変形と可動域制限の原因として追記頂き、確実に8級をおさえた。 医師によると、固定したままでは患者の苦痛はもちろん、予後に様々な症状が併発されるので最近は抜釘を積極的にするようにしているとのこと。  

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【事案】

自動車の助手席に搭乗中、交差点で信号無視の自動車に左方より側面衝突を受け、受傷。第二頚椎(軸椎)を骨折、スクリュー2本で軸椎・環椎を固定した。

【問題点】

受傷箇所は命に係わる部位、医師は第1~2頚椎の安定を最優先とした。当然なが頚部の可動域は半分以上失われた。それでもリハビリ努力でかなりの回復を見せたと言える。また、比較的高齢であるので、スクリューを抜釘しないものと思っていたが、医師は1年半後に抜釘を行った。これが可動域の回復にどの程度影響するか・・2分1の以下の可動域制限で8級となる。可動域制限の理由を明らかにすることが本件のミッション。

【立証ポイント】

CT画像を精査すると軸椎と環椎の不自然な癒合がみられた。医師にそれを指摘すると、スクリュー固定中に両頚椎間の一部が不正癒合したと判断された。これを後遺障害診断書に変形と可動域制限の原因として追記頂き、確実に8級をおさえた。 医師によると、固定したままでは患者の苦痛はもちろん、予後に様々な症状が併発されるので最近は抜釘を積極的にするようにしているとのこと。

(平成26年8月)  

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18 本日より事務所の営業がスタートです。まずは年末年始に届いた書類の山を整理です。急を要する案件ばかり、スロースタートというわけにはいかなそうです。年末年始は積年の疲れから、寝てばかりいました。寝だめ食いだめはできないと言いますが、とにかくいくらでも寝てられました。

 ご依頼者の皆様、関係機関の皆様、どうか本年もよろしくお願い申し上げます。  

 さて、今年の抱負ですが、例年のごとく真面目路線で行きたいと思います。昨年の交通事故業界は業者間の競争が激化した一年でした。具体的には大手法人事務所のネット攻勢による寡占化、さらに新規参入の弁護士事務所が一通り出揃った感があります。クレサラ業務は実質、昨年まで、今年で終わりです。今まで交通事故に見向きもしなかった弁護士も2匹目のどじょうを狙って活発化、行政書士はそのような激流の中、排除傾向でしょうか。当然ながら交通事故外傷は専門性が高い分野です。新規参入してもそれほど簡単にはいきません。今後、事務所の経験・優劣がより顕著に表れるはずです。依頼先を選ぶ立場である被害者さんには賢明な判断が望まれます。  

 また、目立った動きとして接骨院・整骨院との連携がヒートアップしたのが昨年の特徴です。確かに医療との密接な連携は後遺障害の立証に大いに寄与するところです。私たちグループも長年、病院情報の集積と連携構築に誰よりも心血を注いできました。何せ私一人ですら、年間200件以上の病院同行を4年も続けているのですよ! その連携体制を誇るべく、HPに病院名を羅列したいのは山々です。しかし、それはしません。何故なら、私たちは診断書・画像・検査結果などの医証を集め、障害を立証する立場の業者です。特定の医師との関係を誇示することは医証の信用性に関わるからです。

 HPで特定の弁護士、行政書士などの連携を売りにしている接骨院・整骨院が目立つようになりました。確かに交通事故に力を入れていることは伝わります。しかし、この連携を保険会社は良しと見てはいません。保険会社は整骨院・接骨院への治療費支払いに常に神経をとがらせています。さらに法律家・業者との繋がりはすなわち、その業者が関与している診断書を注視する結果となります。もちろん、不正なく、癒着なく、適切に医師とやり取りをしていると思いますが、「李下に冠を正さず」、わずかでも疑いが生じるふるまいは厳に慎むべきと思っています。それは協力頂いている医師も同意見で、良識ある医師こそ「医療と賠償問題は一定の距離を置くべき」と声を揃えています。  昨年、弊事務所にも接骨院から提携の話がいくつか入りました。しかし、その提携を誇示したいという趣旨からお断りしました。確かに弁護士・行政書士と医療機関の連携は患者にとって一見頼もしそうです。しかし前述の通り、保険会社の神経を逆なでしてまで協力関係をアピールすることなく、あくまで中立的に医療立証をすることが被害者救済のゆるぎない姿勢と思っています。(頼るべき時はそりゃ助けて頂きますけど。そのための医療連携です!)    安直な道には進みません。宣伝・商売・損得で図るのではなく、医療機関とは被害者救済を前提とした緊張感のある、ガチンコな関係を構築・維持していきたいと思います。そして、何より真摯に丁寧に、時には厳しく、最高の技術をもって依頼者さまの期待に応えていきたいと思います。

 あと、それから今年こそ痩せたいです。

ojigi5   以上、ストイック宣言でした。

 

 

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