【事案】

自動車運転中、停車時に後続車に追突されたもの

【問題点】

リハビリ先の選定で苦慮していた。

主治医との関係も良好でなく、また通院実績についても修正すべき点がいくつか見受けられた。

【立証のポイント】

連携している治療先へご案内し、転院。その後、計画的な治療を行っていただき、症状についても経過を細かく把握していただいた。ペインクリニックも併設しているため、バレ・リューの症状についても対応が可能であった。症状固定時には医師に後遺障害診断書についての打ち合わせを行い、そのうえで医証をご作成いただいた。14級9号が認定される。

(平成27年1月)

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 毎年1月の交通事故相談会の参加者は少な目です。毎回、びっしり予約が埋まりますが、今回は以下、予約空き時間があります。参加ご希望の方は急ぎお電話・メール下さい。  

1/31 大宮  13:00~  16:45~ の2枠   2/1 本厚木 11:30~  13:00~  14:00~ の3枠

    賠償問題は弁護士、後遺障害は行政書士・メディカルコーディネーターが対応、万全の対応をお約束します。

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 来週は研修講師が目白押しです。水曜は損保代理店向けセミナー、週末は弁護士向け研修もあります。それぞれ自動車保険に関することがテーマです。現在、猛烈にレジュメの作成中です。いきなり数十ページの資料を作成することはできません。やはり日々の業務日誌や研究資料の蓄積がものを言います。それでも加筆・修正で20時間はかかりそうです。

 実務家を標榜、毎日のように病院同行に明け暮れる毎日です。加えて毎月3回の相談会、出版に耐えうる文筆業、人前での講師業、求められるオーダーは多肢にわたります。試練の1月となりましたが、乗り越えなければなりません。   akb2  

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 今朝は7:24の新幹線で長野入り、東京も寒かったですがこっちもキツいです。晴れているのにチラチラ小雪が舞っています。気温は-2°でした。本日、長野の病院同行2件は高次脳機能障害です。

2015012813160000

 長野市では実施済の神経心理学検査の確認と追加診断書の依頼でした。昨年もお世話になった医師でしたので、話が早く助かりました。その後、必要な作業を打合せし、後遺障害認定に向けてまっしぐらです。書類がまったく揃わない状況で申請する愚を避けることができました。

 その後、特急に乗り松本方面に下りました。ここでは高次脳機能障害の診断が定かではない高齢の依頼者について、昨年末から専門医の診断・検査をお願いしています。そして、正式な診断を受け、診断書を依頼しました。これで相手保険会社から今後の治療費を容易に確保できます。危なく、単なる痴呆で打ち切られるところでした。 2015012816380000続きを読む »

 昨日の記事から専門用語を解説します。それと専門医から最新の治療情報を。

  ※1 デブリ洗浄=デブリードマン、デブリードメント、略してデブリと呼ばれます。感染、壊死組織は 正常な肉芽組織の成長の妨げとなるため、は創傷外科治癒において最初の処置です。  開放骨折の場合、傷口を洗うような生ぬるいものではありません。骨折面のゴミや骨片を洗浄・除去するにとどまらず、骨と骨髄をゴリゴリ削り取ります。感染症のリスクを低くするため、なるべく多めに組織を除去する必要があるのです。したがって骨の癒合・再生は遅くなります。  

※2 イリザロフ法=1951年、ロシアの医師ガブリル・イリザロフが初めて実施しました。人工的に骨を切り、創外固定器(通称、イリザロフ)をつけます。 そして、外から1日1mmぐらいのペースで骨の隙間を広げていきます。その間、骨の自然治癒力により隙間が修復され伸びていくわけです。最近ではケガ(下肢の短縮障害)だけではなく身長を伸ばす手術としても知られています。原始的な方法ですが脚を伸ばすには最も効果があります。 c_g_l_26

★ 最新知識

 本日、専門医の面談にて、感染症の監視のためのPET検査があり、これが有用であることを聞きました。開放骨折では感染症を防ぐことが基本中の基本です。PET検査は一般にガン検査に用いられますが、この専用PET検査はまだ一般的には流布していないようです。

pet_001続きを読む »

 現在、下肢の重症案件を数件お預かりしています。下肢の骨折の中でもやっかいなのは開放骨折です。これは骨折部が皮膚を突き破り、外に出てしまった骨折を指します。人体の内部での骨折と違い、骨の内部にゴミやばい菌が入ってしまうからです。 kaihou 過去記事 ⇒ 開放骨折のガステロ分類  治療は骨の整復の前に、骨の開放部のごみや骨片を綺麗にする必要があります。洗浄と言うより、骨や骨髄までゴリゴリ削り取る作業です。ばい菌を残さないために組織ごと、多めに削り取らなければなりません。したがって骨の癒合が大幅に遅れてしまうのです。これを「デブリ洗浄」(※1)と言います。  そして、ばい菌が暴れださない様、血液、骨髄の監視が続きます。昨年、ようやく解決した被害者さんは受傷から1年後になって感染症となり、せっかく骨も傷口も塞がってきたのに、再度切開し、感染部をデブリ洗浄しました。また整復のやり直しです。おかげで症状固定まで3年を要しました。

 現在も感染症の危険を抱えた、開放骨折の依頼者さんを3人お預かりしています。治療費を支払う保険会社との折衝、長期的に診てくれる病院・医師の確保で奔走することになります。場当たり的で何もできない病院には早く見切りをつける必要があります。また、相手保険会社からしっかり治療費を確保しなければなりません。保険会社としては長期かつ手術が数度伴うので健保の使用を強く要請してきます。しかし、病院側は健保使用により、イリザロフ法(※2)など特殊治療、入院期間の縛りなどの治療内容の制限がなにかと妨げになるので困ります。自由診療による治療費の利益(=健保の2倍以上)だけの問題ではないのです。  このような周囲の思惑が絡み、うかうかしていられないのです。色々な調整、交渉が必要となりますので、ここはメディカルコーディネーターの真骨頂です。

 交通事故の解決では、この前半戦が重要となることがしばしばあります。重度の骨折の被害者さんは早期に専門家を確保して下さい。賠償問題は後回し、まずは自らの足で再び歩くことが目標です。

※1~2は明日解説します。  つづく 

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 毎回、相談会で相談者へ弁護士費用特約(以下、弁特と略)の加入有無を確認しています。国内損保は画一的でほぼ同じ約款です。東海さんは法律相談費用(10万円限度)が自動付帯(最初から保険に含まれている)であること(⇒過去記事②)、これは心配ありませんが、三井住友さんは特約を日常生活全般への事故と自動車事故に分けていること(⇒過去記事①)、労災事故を免責としていること(昨日の⑩)、これについては注意が必要です。

 それでは各社、独自色を強めている通販系の弁特はどうなっているのでしょう。毎度、内容を調べるのも面倒なので、各社の最新約款を確認、一覧表にしてみました。赤丸は昨年以降(2014~15の改定)で修正された点です。やはり、国内社のように画一化傾向です。

 何かと支払いが辛い印象のアクサさんとチューリヒさんは対象を弁護士だけではなく、行政書士に広げましたね。でも、「行政書士には10万円までですよ!」と厳しいんだろうな。別にいいけど。  

会社名

法律相談費用(10万円)

司法・行政書士への適用

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 年始に医療機関との提携を誇示することについて批判的な記事を書きました。私たちのように医証を集め、障害を立証する立場の業者には公正性が必要で、医師との関係には一定の距離、緊張感が必要と説きました。まったく我ながら生真面目です。さらに言わば、賠償交渉を弁護士に引き継ぐ、つまり案件を弁護士に紹介する、または紹介される場合にもある種の緊張感が必要と思います。例えば、特定の1~2事務所のみと提携し、案件を同じ事務所としかやり取りしない・・これも生真面目な私からすれば不健全なスタイルと考えています。

 もちろん、その事務所が交通事故に盤石の実績があり、事務所を挙げて注力している弁護士ならある程度、信頼を置けます。しかし、年に交通事故の受任が10件程度の経験しかない弁護士、何でも屋事務所、つい最近までクレサラばっかり扱っていた事務所では心配が尽きません。受任数多い大型法人事務所であっても、結局は担当する弁護士の経験・力量がものを言います。  私たちは被害者と一緒に病院に同行、障害の立証に艱難辛苦を共にします。本当に苦心惨憺の末、後遺障害等級を確定させるのです。その後、賠償交渉で生ぬるい戦いをされたら困るのです。引き継ぐ弁護士は誰でもいいということではないのです。

 現在の連携先8事務所、30人ほどの弁護士は交通事故に集中し、土日返上、連日夜遅くまで頑張っています。しかし、残念ながら途中で案件を返していただいた弁護士、もしくは連携関係をお断りした弁護士も存在します。これらの弁護士は交通事故に造詣が深いと自負があるだけで、まったく知識・経験不足、または本質が見えていない、総じて謙虚さに欠けるきらいがあります。「資格を持っているだけで実務ができるとは限らない」・・どの仕事でも共通する格言です。やはり、交通事故を相当数扱っていなければ弁護士とて素人同然なのです。

 連携先にも厳しい目で臨みますし、逆にこちらの仕事にも厳しい目で見て頂く必要があります。被害者の為、時にはケンカをいとわないぶつかり合いも必要です。つまり、連携業務にはある種の緊張感があって然りと思うのです。提携関係と言えど、お互い馴れ合いや妥協があってはなりません。最近の弁護士・行政書士・治療機関の連携ブーム(?)から強く感じています。  

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「三井住友さんの弁護士費用特約に気になる点が一つ」の巻

c_y_184 お馴染みの弁護士費用特約(以後、弁特と略)、今更内容の説明は割愛します。既に昨年秋の約款改正を取り上げたましたが、その改正の前から三井住友さんの約款で気になる1項目がありました。約款の内容は以下の通りです。昨年から2件ほどこの免責事項で弁特が使えない件に出くわしました。まずは免責事項を・・  

第4条(保険金を支払わない場合)

(2)当社は、次のいずれかに該当する損害に対しては、弁護士費用保険金を支払いません。

⑤労働災害により生じた身体の障害。ただし、ご契約のお車または親族等所有自動車の正規の乗車装置(注14)またはその装置のある室内(注15)に搭乗中に生じた事故による身体の障害を除きます。    わかり易く解説しますと、労働災害、つまり「業務中や通勤上の交通事故(歩行中、自転車搭乗中、他)の場合、弁護士費用特約は使えません。」ということです。労働災害のケガでも自動車に乗っている時(マイカー通勤、業務中の私用自動車搭乗中)であれば特約を使えますが、何故か歩行中、自転車の労災事故はダメなのです。

 業務中の事故、例えば「自転車で新聞配達をしている配達員が超過勤務等、会社に責のある事故でケガをした場合、会社に対する賠償請求」については特約の性質上、弁特の対象ではないことは納得できます。しかし第三者行為、つまり会社とは関係ない自動車にぶつけられてケガをした場合は明らかな損害賠償の対象者が存在することになります。ここで労災の補償が得られたとしても、当然に加害者への賠償請求が生じます。加害者へ労災から治療費・休業損害の求償があろうとなかろうと、です。

 他社の免責(保険が使えない)事項はどうでしょう?薬物・飲酒運転など常識的に「これはダメだな」と思う事が各社同じ文章で記載されています。何故、三井住友さんだけ、労災事故に弁特の使用に制限が加わるのか理解に苦しみます。全社確認する時間がないのですが、少なくとも3メガ損保で本規定があるのは三井住友さんだけです。

 確かに労災を使えば、治療費や休業損害など一定の補償を確保することができます。しかし、慰謝料は相手から取るしかありません。特に後遺障害が残れば、その慰謝料はもちろん、逸失利益など労災の支払い以上の賠償請求が増大する可能性があります。つまり、「労災の障害給付金がでたのだからいいでしょ」というわけにはいきません。十分に賠償交渉の余地はあるのです。相手が無保険であれば、より賠償交渉の必要性が増します。そこで弁護士を使って交渉を進めるにも「残念ながら労災事故なので弁特は使えません」となるのです。

 まさか、弁特を使用したいがため、労災に請求せずに普通の交通事故とする?そんなバカなことはできません。実態は労災を請求しないだけで、約款上の「労働災害」に違いありません。  または、次のようなケース、「第続きを読む »

 すみません、有用な記事ではないですが・・

 今年に入って申請ラッシュ! 一月の自賠責被害者請求の請求・異議申立請求・書類の引継ぎ等、今日まで提出分が8件、今週中にあと2件確実です。今までの月間最多数は9件でした。おそらく新記録10件、もしくは12件ほどいけるかも知れません。大型法人事務所なら10数件など少ない数ですが、個人事務所ではなかなかの数です。高次脳機能障害が2件含まれていますので、電話帳クラスの提出書類も数件あります。

 年初に言ったように、被害者救済業は従業員を増やして大量処理するような仕事ではないのです。一件一件、秋葉の仕事を評価、成果を期待している案件ばかりなのです。量は増えても質は絶対に落とせません。体がもつ限り奮闘あるのみです!

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 頭部外傷によって、記憶、知能、注意・遂行能力の低下、性格変化などが起きてしまいました。家族は以前と変わってしまった被害者を前に困惑しています。しかし主治医が「高次脳機能障害です」と必ずしも診断するわけではありません・・・  

高齢者 ⇒「高齢なので痴呆のせいですよ」

   = 単なる認知症にされてしまう  

性格変化 ⇒「ケガは治ったので退院しましょう」

   = 医師は事故前の患者の性格を知らない  

脳内出血が止まった ⇒ 「もう危険は去りました」

   = 命の助かった患者に対し、すでに興味なし  

知能検査が平均点以上 ⇒ 「高次脳機能障害はありません」 

   = ある能力だけが低下、それ以外は事故前と変わらない。これも高次脳機能障害の特徴の一つ

   このような医師の対応で、「なんだか変?」状態のまま月日が経ち、相手保険会社から「そろそろ示談しましょう」と終わりにされます。つまり、高次脳機能障害が見逃されます。残念ながら自動的に障害が立証されるわけではありません。特に微妙な変化しか見せない障害は誰かが気付かなければならないのです。医師のすべてが高次脳機能障害を熟知しているわけではないのです。そして、ほとんどの病院で検査の設備・人員がなく、高次脳機能障害の評価ができません。

 昨年からこの入口で停滞している案件を数件お預かりしています。なんとしてもこの第一関門を突破し、高次脳機能障害の評価を成し遂げたいと思います。 

2015012111190000続きを読む »

【事案】

タクシーの後部座席に搭乗中、運転手が居眠りで路肩に停車中のトラックに追突、その反動で後部座席からフロントガラスまで投げ出され、顔面を強打したもの。額に大きなキズを残してしまった。

【問題点】

前額部の形成手術が数度に及び、治療期間が長くかかったのは仕方ないが、目や耳の検査が後手に回り、有用な検査結果を残せていない。また、症状固定に向けて様々な検査が必要でありながら、依頼した弁護士が適切なアドバイスをせず、「診断書を待っています」だけの姿勢。その後、相手の保険会社が治療打切りを打診してきたので対応を頼むと、「正式に受任していないので・・」と逃げ腰。依頼者はてっきり委任しているものと思っていたが、丸々1年何もしないで打切りを迎えてしまった。

【立証ポイント】

形成外科はもちろん、整形外科、眼科に医師面談し、実施済の検査結果の回収、追加検査の依頼に奔走する。しかし、検査結果は事故から時間が経ちすぎたので数値が回復傾向、もしくは時期を逸して有用なデータとならかった。顔の傷も手術を重ねた結果、かなり薄くなっていた。それでも顔面醜状痕は弁護士の立会いの下、面接でギリギリ7級の評価を確保した。結局、醜状痕以外は2つの14級9号の認定に留まり、併合7級となった。

早い時期に検査し、計画的に立証を進めれば、違う結果を望めたかもしれない。後遺障害を知らない代理人を選ぶと往々にして等級を取りこぼす。リカバリーするのは大変なのです。

※ 併合のため分離しています

(平成26年11月)

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【事案】

タクシーに搭乗中、運転手が居眠り運転で停車中のトラックに追突、後部座席から前席から飛ばされフロントガラスに顔面を強打した。額を受傷、線状痕・瘢痕は形成外科の数度の手術で回復に近づけた。その他、肩・腰部の痛み、視野の狭窄、難聴などの不調が生じた。

【問題点】

前額部の形成手術が数度に及び、治療期間が長くかかったのは仕方ないが、目や耳の検査が後手に回り、有用な検査結果を残せていない。また、症状固定に向けて様々な検査が必要でありながら、依頼した弁護士が適切なアドバイスをせず、「診断書を待っています」だけの姿勢。その後、相手の保険会社が治療打切りを打診してきたので対応を頼むと、「正式に受任していないので・・」と逃げ腰。依頼者はてっきり委任しているものと思っていたが、丸々1年何もしないで打切りを迎えてしまった。

【立証ポイント】

形成外科はもちろん、整形外科、眼科に医師面談し、実施済の検査結果の回収、追加検査の依頼に奔走する。しかし、検査結果は事故から時間が経ちすぎたので数値が回復傾向、もしくは時期を逸して有用なデータとならかった。肩関節は受傷初期のMRIで水腫が見られるが、その後、目立った所見を得ずに治療が継続された。 結局、治療経過から14級9号だけを確保するに留まった。

※ 併合のため分離しています

(平成26年11月)

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 自賠責の共同不法行為に関する質問です。最近はネットのみならず、治療先からもにわか知識のアドバイスで振り回される被害者が多いようです。本件はその一例です。(内容は一部脚色しています)  

Q) 後方からの追突された事故で、被害車両に同乗していました。首の痛みから接骨院で半年以上、施術を続けています。接骨院の先生から、「後方から追突してきた車両だけではなく、同乗していた車両の自賠責保険も使えるかもしれない。現在、施術料は200万円ほどですが、自賠責が2枠使えれば限度額120万円の2倍=240万円まで大丈夫ですよ!」と聞きました。この先生は先日、施術料を相手保険会社からの打切りされてしまったのですが、自賠責に請求すれば大丈夫と言っています。本当に240万円まで請求できるのでしょうか?

tutotu 二台による事故だが・・

A) 順番に整理しましょう

1、被害車両の同乗者は双方の自動車による被害者で、双方の自動車に過失がある事故であれば共同不法行為が成立します。したがって、先生の言うように傷害支払い限度額120万円×2=240万円の支払い枠を確保できます。

2、本件の場合、被追突で明らかな0:100であれば、同乗自動車の運転手にはまったく責任がないことになります。被害者救済志向が強い自賠責保険でもさすがに過失0の相手には請求できません。

3、仮に同乗車に責任が5%でもあれば有責(ただし傷害支払いは20%減額)となります。その場合、96万円+120万円=216万円の支払い枠が確保できます。

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 外は雨と風がすごいことになっています。道行くOLさんの傘も飛ばされそうです。

 2月は研修が多く、今月はレジュメ等の準備に追われています。病院同行も20回以下となりそうです。それと、2月一杯まで土日がほとんど研修会、相談会で埋まります。平日に代休を取らないと体がもちません。今日も午後からお休みをいただきます。以上、日誌は近況報告でお茶を濁します。

2015011514220000

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【事案】

バイクで直進中に、突然左折してきた自動車に巻き込まれたもの。

【問題点】

右環指のオーバーラッピングが見られた。骨折部の関節面の不整を確認する必要があった。 c_g_j_48 【立証のポイント】

MRI撮影を依頼し、関節面の状態について明らかにする。

オーバーラッピングについては写真を添付。後遺障害診断書にもその旨ご記載いただいた。

14級7号の認定の可否が要点であったが、神経症状として14級9号の認定であった。骨癒合の状態からすると、14級9号の認定は残念ではあるが妥当であると思われる。

(平成27年1月)    

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【事案】

自動車で直進中に対向右折車と衝突したもの

【問題点】

不定愁訴がかなり多く顕著に現れていた。そのためか、主治医とも関係が悪く、またペインクリニック等の様々な治療先を検討する必要があった。

【立証のポイント】

通院しやすいクリニックをご紹介し、そこで通院実績の積み重ねをしていただく。それと同時に不定愁訴について一つ一つ検討し、ペインクリニックも併用して治療を受けていった。

症状固定時には医師面談を行い、後遺障害診断書の作成についてご協力いただく。不定愁訴についても一定の改善が見られ、なおかつ無事に14級9号の認定を受けた。

(平成27年1月)

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 歳を重ねて思う事・・それは一概に言える事が減ったことでしょうか。

 若い頃はとかく少ない情報から単純に良し悪しを決めつけて、一言のもとに断言していました。例えば、仕事のやり方一つにも「これは間違っている!」「これはダメ!」と決めつけが多かったように思います。しかし、後になって「一概に間違っているとも言えないな」「違う側面もあるな」「別の評価もできるかな」と検討の幅が広がっていきます。何事も見る角度、立場の違いで別の解釈、曖昧な評価があるものです。すると、単純に正誤・善悪・好き嫌いの二つに分けられなくなります。これが年齢・経験を重ねるということでしょうか。

 この業務日誌でもシンプルで正確な情報を心がけつつ、表現が二元論、極論にならないように配慮しています。例えば、病院に対する評価も、人それぞれの印象があるので、ここはダメ、あそこはいい、と断言することは避けています。実は内心、かなり評価がはっきりしていますが・・。また交通事故外傷の治療に関しても、接骨院・整骨院の効果を認めつつ、こと後遺障害の認定を前提とした場合は避けるべきと消極論に留めています。決して「ダメ!」と決めつけないようにしています。(断言が必要な場面もあるのですが・・)

 先日、昔の代理店仲間から「病院はダメ、病院では治らない、接骨院にすべき」との意見を聞きました。確かに大学病院や市立病院など大きな病院では手術するような大ケガでなければ、レントゲンを撮って薬を出すだけで特に何もしません。捻挫・打撲の場合、多くはそうなります。患者によっては疼痛コントロール、症状の緩和措置など、理学療法や接骨院の施術が必要となります。被害者の治療方針について、交通事故に関わる業者には適切なアドバイスが求められます。被害者は治すことと賠償の両方を考えなければならないからです。しかし「病院はダメ、接骨院にすべき」またはその逆、単純な二元論で答えるべきでしょうか?その患者にとってどのような治療手段とするか、それは簡単に割り切れるものではないのです。

 いつも言うように被害者の症状や置かれている状況から、最適な道しるべを示すことが私たち業者の最初の仕事と思います。そして被害者さんにも厳しく言えば、そのアドバイスや戦略が自分にとって納得のいくもの、ベストな選択であるかを吟味・選択する自己責任があります。何故なら先ほど「病院はダメ、病院では治らない、接骨院にすべき」と断言した仲間は接骨院と密接に提携しています。つまり、意見は商売上の立場に立脚しているからです。理学療法が充実し、優れた緩和措置を行う整形外科もたくさん存在するのに、それに対しては「・・・」です。  これは連携体制を幅広く推進している私にも言える事です。私の意見は商売上の理由から選択されていないか?常に、自問自答する謙虚さが必要と自戒しています。

 さらに例を挙げれば、ある行政書士の仲間ですが、以前は「接骨院に行くな!」と言っていながら接骨院と提携した途端、「接骨院で治療(正しくは施術)しましょう」とあっさり宗旨替えです。または、接骨院・整骨院とは提携しない方針ながら、いつの間にか提携を前提とした柔道整復師向けセミナーの講師をしている者もいます。もう、商売上の都合だけでポリシーなど無きに等しいふるまいです。これらどっちにも転ぶ者は二元論者の最悪例、困ったものです。商売上の都合で主張・立場をころころ変えていれば周囲の信用を失ってしまいます。

 病院と接骨院、それぞれやや重なる部分(リハビリや緩和など)がありますが、そもそも役割が違います。患者はそれぞれの適用場面についてベターな選択をすればよいのです。どちらが良い・悪いの断言などできないはずです。言及すべきはそれぞれ院ごとの治療・施術の質についてではないでしょうか。

 単純な二元論では私達のようなコーディネーター(調整役)の仕事はできません。被害者の複雑な問題に対してmore better、より良い選択、次善策を検討、示していくことが使命だからです。    交通事故は人が起し、解決もまた人が行うものです。交通事故の解決は「0°か1°か」温度計で判断するデジタル思考では立ち行きません。手を入れて湯加減を測るごときアナログ思考で対処することばかりなのです。   

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 本件は後遺障害の内容そのものではなく、後遺障害に不慣れな弁護士に依頼したため、迷走してしまった案件です。相談にいらした際、私が介入しなければまったく埒が明かない状態でした。担当している?弁護士さんは後遺障害の立証作業をやらないのであれば、安易に相談を受けないで欲しい。もしくは私のような業者に相談するなど、依頼者第一の対応をとっていただきたいものです。  もっとも、後遺障害の認定は相手の保険会社さんとお医者さんに任せて、等級が確定してから仕事をする・・これが普通の交通事故業務と思っている弁護士さんが未だに多くを占めています。近年、後遺障害に積極的に取り組む弁護士さんも増えましたが、残念ながらこれが現実です。被害者さんは代理人を選ぶ際、交通事故をわかっている弁護士なのか、しっかり見極めなければならないのです。  

併合7級:外貌醜条痕(30代男性・神奈川県)

【事案】

タクシーに搭乗中、運転手が居眠り運転で停車中のトラックに追突、後部座席から前席から飛ばされフロントガラスに顔面を強打した。額を受傷、線状痕・瘢痕は形成外科の数度の手術で回復に近づけた。その他、肩・腰部の痛み、視野の狭窄、難聴などの不調が生じた。

【問題点】

前額部の形成手術が数度に及び、治療期間が長くかかったのは仕方ないが、目や耳の検査が後手に回り、有用な検査結果を残せていない。また、症状固定に向けて様々な検査が必要でありながら、依頼した弁護士が適切なアドバイスをせず、「診断書を待っています」だけの姿勢。その後、相手の保険会社が治療打切りを打診してきたので対応を頼むと、「正式に受任していないので・・」と逃げ腰。依頼者はてっきり委任しているものと思っていたが、丸々1年何もしないで打切りを迎えてしまった。

【立証ポイント】

形成外科はもちろん、整形外科、眼科に医師面談し、実施済の検査結果の回収、追加検査の依頼に奔走する。しかし、検査結果は事故から時間が経ちすぎたので数値が回復傾向、もしくは時期を逸して有用なデータとならかった。顔の傷も手術を重ねた結果、かなり薄くなっていた。それでも顔面醜状痕は弁護士の立会いの下、面接でギリギリ7級の評価を確保した。結局、醜状痕以外は2つの14級9号の認定に留まり、併合7級となった。

早い時期に検査し、計画的に立証を進めれば、違う結果を望めたかもしれない。後遺障害を知らない代理人を選ぶと往々にして等級を取りこぼす。リカバリーするのは大変なのです。

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【事案】

バイクで直進中、後方より追い越ししてきた自動車が急に左折したため接触、転倒したもの。その際、右の鎖骨・肩甲骨・肋骨・橈骨・尺骨を骨折した。 5a70f3c738c69a35df4c65fb69bb2364 【問題点】

この被害者は若く体力十分、元々頑強な体で仕事も医療関係から知識も十分、そしてリハビリもアスリートのような根性で・・・結果、驚異的な回復をみせる。相談会に参加された時に「骨癒合を待ち、なるべく早期に症状固定する」方針とした。もちろん「できるだけ治す」ことが最大目標である。しかし、一定の障害が残ることが確実なケガながら、中途半端な回復によって適切な等級を取りこぼすことを懸念したからである。

【立証ポイント】

砕けた鎖骨、ぱっくり横断骨折した肩甲骨の画像をしっかり撮って提出すること、後は可動域の計測を間違いなく記録することに尽きる。主治医はもちろん理学療法士と打合せしを済まし、受傷から7か月後に症状固定、診断書を作成した。

結果、可動域は文句なしの10級、これに鎖骨と肩甲骨の双方の変形12級5号が併合された。これは写真を添付すれば一目瞭然。

普通の人なら1年間は症状固定できない受傷様態である。しかし回復力の差や体力差を考慮し、適切な時期に症状固定する必要がある。

(平成26年11月)  

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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