【事案】

原付バイクで走行中、交差点で左方よりの自動車と出合頭衝突したもの。その際、左太ももを強打した。初期診断名は左膝大腿四頭筋不全断裂。

【問題点】

事故当初から血腫の瘢痕があり、痛み、感覚低下が1年経っても残存した。治療も終了し、完治をみずにそのまま放置状態となり、相談会に参加された。瘢痕もほとんど目立たなくなっていた。

【立証ポイント】

とにかく症状固定し、後遺障害の審査に進めねばならない。治療終了から10か月となるが病院に同行し、MRIの再検査を行った。結果、「血腫の消失」が診断された。側副靭帯損傷を観察するマクマーレーテストも陰性。諦めムードでの申請だったが、”推測サンキュー14級”が認定された。受傷時の筋断裂と血腫が評価されたことに加え、血腫は消えてしまったが、自覚症状を神経症状として評価、つまり、痛み、感覚低下の残存を信じて頂いたよう。

本件は弊事務所ルーキーの山本が初めて単独担当した案件。決して諦めず、心を込めた立証作業から誠心が調査事務所に伝わったのだと思う。後遺障害の立証作業にビギナーズラックはない。訴えに真実があるのみ。

(平成26年11月)

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 DVDが発売されたので早速観ました。私が知る限り、主人公が交通事故で高次脳機能障害となったケースはこの映画が初めてと思います。

dakisimetai] 映画は実話をもとにしており、先にテレビドキュメンタリーで製作されています。あらすじは高校生の時、交通事故で障害を持った主人公がタクシー運転手と出合い、結婚、出産をします。しかし、産後直ちに亡くなってしまいます。切なくも暖かい視点で物語は進みます。主演の北川 景子さんがとっても愛らしく、涙を誘います。映画を通して障害者を取り巻く環境、家族・周囲の人々の心情も描かれています。

 職業柄、どうしても高次脳機能障害の症状を観察してしまいます。そこで事務所の補助者にも映画から、どのような症状があるか?学習として鑑賞を勧めました。今日の日誌はその答え合わせです。  

(Q1)主人公からどのような症状が観察できますか?障害の種別とそれを伺わせる場面を挙げて下さい。  

(A)1、左半身・片麻痺・・車イスを使用。左足関節を固定するための装具を装着しているので、足関節は用廃レベル。さらに左足はやや内反していること、お茶を入れるシーン他で左肘に屈曲位が見られるので、痙性麻痺と判断できる。

2、短期記憶障害・・記銘力が低下しています。買い物に来て何を買うかを忘れてしまったこと、また買い物を書いたメモすら家に忘れていたことからうかがわれます。事故前の記憶は保たれているようで、薄れた昔の記憶は徐々に思い出すことができるようでした。

3、易疲労性・・家に送ってもらった後、疲れてすぐに寝てしまった場面から。ちなみに易怒性については、冒頭、施設のダブルブッキングのシーンや浮気を疑ってキレるシーンを検討するに、障害ではなく自然、従来の性格からと思われます。

4、相貌失認・・寺門ジモンさん演じる友人の婚約者の顔を忘れています。しばらく誰かわからない状態が続きます。

※ 映画上、表現は避けたと思いますが、ドキュメンタリーでは言語障害、ブローカ型と見受けられます。

  (Q2)主人公の自賠責の障害等級は何級と読み取れますか?   (A)別表Ⅰ2級。精神の障害は5級レベルですが、半身麻痺が包括して検討されるはずです。主人公は一人暮らしを強行していますが、定期的にヘルパーさんがきていること、母親が見守りをしていることから介護認定は問題ないでしょう。  ちなみに身体障害者手帳は2級、精神障害者手帳は2級と予想します。

 つづく  

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