前腕骨折の重傷例を解説します。骨幹部がポキッと折れた骨折は比較的、障害を残さずに治癒しますが、関節の脱臼を含むような骨折は何かと障害を残しがちです。  

病態

 モンテジア骨折とは、尺骨骨幹部骨折と同時に肘部の橈骨頭の脱臼したものです。原因は、転倒によって手を地面に強く突く、もしくは強くねじると、腕の中で尺骨と橈骨が強制的に回内運動、つまり内側にねじれを起こします。逆に回外、外側にねじれて脱臼することもあります。その時に尺骨は橈骨と強く衝突して骨折し、その衝撃が元になって橈骨は橈骨頭が脱臼してしまうのです。

 下図のようにねじれの方向によって伸展型(左)と屈曲型(右)に分かれます。 c_g_j_43    montejia ← 伸展型のXP

治療

 徒手整復を基本とします。多くはまず骨折した尺骨をプレート固定します。次に肘部脱臼の整復ですが、橈骨輪状靱帯や方形靱帯(それぞれ尺骨と橈骨をつなぐ靭帯)の断裂を伴う場合、再脱臼を防ぐためワイヤーで固定します。  

後遺障害

〇 橈骨の脱臼部により肘関節の可動域や、尺骨の長さが変わることにより手関節の可動域制限が起こる可能性があります。したがって肘関節は必須、その他、手関節や回内・回外の可動域制限の有無を確認します。

部位

主要運動 ...

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 今朝は新幹線で宇都宮、先ほど帰宅。ここ数日の医師面談から・・

 事前に「怖い先生」「厳しい先生」と聞いていました。しかし、毎年200回以上、医師面談をしていれば、どんな先生であろうと今更びっくりはしません。本件も実際にお会いして、お話をした結果、すんなり診断書の記載を了解していただけました。修正・追記も了解いただけました。特に難しい先生とは感じませんでした。

 やり取りはわずか3~5分です。医師は多忙で患者の診断に分刻みですから、だらだら話をすることを嫌います。理路整然と要望を伝え、無駄を極力排した折衝としなければなりません。医師も人間、色々なパーソナリティーがあって当然です。私達、メディカルコーディネーターの「コーディネーター」とは調整役という意味です。あらゆる相手・条件・場面でも調整し、まとめ上げるのがプロの仕事です(たまに失敗もありますが)。

 中には上手く医師と折衝して診断書を記載依頼できる患者さんもいるでしょう。しかし、現実は患者さんが医師と上手に話をまとめることは難しく、特に口下手な患者さん、遠慮がちな患者さん、気の短い患者さん、いずれも上手く交渉ができません。多くは、医師のとの相性で運命が左右されてしまうものです。結果として良い診断書が仕上がりません。やはり、少なからず専門家の手助けが必要です。交通事故賠償の世界では、メディカルコーディネーターは潜在的に望まれている、隠れた仕事と思います。人知れず頑張らねばなりません。

 診断書の記載依頼、これは書類のやり取りだけでは埒が明きません。医師にしっかり説明・申告しなければ、不正確で内容の乏しいものとなります。それで等級を取りこぼしては泣くに泣けません。医師面談が決め手となることが多いのです。

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 現在、山梨県甲府市に足止め、台風の影響でJRが午後まで運休です。本日、大幅に予定が変更・遅延しそうです。お約束の皆様、午後に改めて予定をお伝えします。事務所はスタッフが出勤次第、業務対応いたします。ご迷惑をおかけします。

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 私もまだまだ知識、経験共に未熟と日々自戒しております。しかしながら年齢を考えると、若手を指導する立場を逃れることはできません。もちろんこの3年でメディカルコーディネーターを数人、実地で教えてきました。今後もより多くの人材の発掘と育成が必要です。

 先日、補助者に教示をたれました。今日はそこから思うことを一つ。  

 どの仕事も天性の素質というか、センスが最後にはものを言います。では才能のないものはいくら努力しても駄目なのか?断言するにはなかなかに難しい論点です。なぜならほとんどの人が才能に恵まれていません。「自分の才能を最大限発揮できる仕事に就いた」と言い切れる人、「自分は才能がある」と自覚できる人は果たして何人いるでしょう。

 そのような時はシンプルに努力と根性、そして志の重要性を説きます。どのような仕事でも本気で十年取り組まなければ見えてこないものがあります。わずか2~3年で見切ってしまう頭の回転の速い人もいますが、本当のところ深いところまで見えていないはずです。まず、縁あって直面した目の前の仕事について、本気で取り組んでみることが大事ではないでしょうか。そしてその仕事によって助けられる人が必ずいるはずです。どのような仕事もまずは自分の生活(金銭収入)の為ですが、同時に必ず人の為(社会貢献)になっています。

 交通事故にまつわる仕事はまさに人助けが根底にあります。「人の為」がダイレクトに実感できる仕事と思います。特に保険会社、弁護士、医師の3者が代表的な立場でしょうか。そしてメディカルコーディネーターはその3者を有機的に結び付ける、まさに調整役です。すべての局面とは言いませんが、多くの被害者に潜在的に必要とされています。それに応える意気、志こそが仕事の精神的支柱となるはずです。

 そして、決して目立たず、縁の下の力持ちのような立ち位置ながら、一つだけ3者に勝ることがあります。それは被害者と最も密接に寄り添い、解決まで苦楽を共にすることです。  

 明日から、土曜日は神奈川県藤沢市、日曜日は山梨県甲府市と2連日相談会です。弁護士と共同でみっちり対応します。ご参加の皆様、よろしくお願いします。  相談会後は甲府に泊り、翌月曜日の病院同行に備えます。そして午後は急いで東京に戻って埼玉県幸手市へ(間に合うのか?)、翌日は栃木県宇都宮市へ(ヘトヘトです)それぞれ病院同行です。かっこいいことばかり言っていますが、体がもたない!常に人手が足りないのです!                     15   

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 頭蓋底骨折、眼窩底骨折は嗅覚、味覚、視覚など、様々な感覚器障害を引き起こす好発部位です。骨折箇所を丁寧に観察しなければなりません。画像では3DCTによる精査が必須と思います。正面・横からのレントゲンでは確認できないからです。

 また、本例のように触覚低下や疼痛・しびれについて、筋電図検査等では神経麻痺の程度を明らかにできません。やはり画像と医師の診断、そして自覚症状の詳細な説明が必要です。

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12級13号 :眼窩底骨折(20代女性・埼玉県)

【事案】

交差点で横断歩道上を横断中、後方からの右折自動車に衝突され、顔面部を強打した。CT検査で眼窩底に骨折が判明。

【問題点】

ほほの痛み、しびれを残すものの、幸い眼球や視野・視力に障害は残らなかった。このままでは14級9号が限界かと思われた。

【立証ポイント】

医師面談を繰り返し、顔面神経麻痺の可能性を医師に主張した。しかし軽度の麻痺では外見上わからないことはもちろん、筋電図等の検査でも明らかにはならない。それでもCTの画像から受傷部位の神経損傷について医師の見解を引き出し、診断名として「三叉神経障害」が示唆された。それを後遺障害診断書に落とし込み、自覚症状については別紙にて丁寧に記述し、添付した。 ...

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 顔面の外傷について実績例が少なかったので、今年認定された2事案を挙げてみました。

 いわゆる顔面神経麻痺の場合、通常時でも顔が歪むほどひどい引きつりや震えがあれば障害認定は容易いと言えます。しかしながら痛みや痺れはもちろん、触覚・温冷感の低下など微妙な症状に悩まされる方が多いのです。わずかな障害も見逃すわけにはいきません。今日、明日と二回に分けて掲載します。

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14級9号 :頬骨骨折(50代男性・埼玉県)

【事案】

サイクリング中、対向自動車が急に右折してきたため衝突、転倒したもの。その際、顔面と大腿骨転子部を骨折した。

【問題点】

頬骨、大腿骨共に骨の癒合良く、目立った障害を残さず症状固定日を迎えた。本人のリハビリ努力から完治と思われた。しかし骨が折れてすべて元通りとはならないはずである。

【立証ポイント】

この場合、骨折後の神経症状として14級9号を確保する仕事が求められる。主治医に面談し、顔面部のしびれや感覚異常などを自覚症状に書き加えていただいた。わずかな症状でも、しっかり主張すれば、ケガの程度や治療経過から神経症状を認めてくれる余地がある。  

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【事案】

交差点で横断歩道上を横断中、後方からの右折自動車に衝突され、顔面部を強打した。CT検査で眼窩底に骨折が判明。 【問題点】

ほほの痛み、しびれを残すものの、幸い眼球や視野・視力に障害は残らなかった。このままでは14級9号が限界かと思われた。

【立証ポイント】

医師面談を繰り返し、顔面神経麻痺の可能性を医師に主張した。しかし軽度の麻痺では外見上わからないことはもちろん、筋電図等の検査でも明らかにはならない。それでもCTの画像から受傷部位の神経損傷について医師の見解を引き出し、診断名として「三叉神経障害」が示唆された。それを後遺障害診断書に落とし込み、自覚症状については別紙にて丁寧に記述し、添付した。 しかし12級のポイントは他覚的に認められるか否かである。医療照会にて再度、医師の説明が求められ、なんとか認めていただいた。

(平成26年6月)  

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【事案】

サイクリング中、対向自動車が急に右折してきたため衝突、転倒したもの。その際、顔面と大腿骨転子部を骨折した。

【問題点】

頬骨、大腿骨共に骨の癒合良く、目立った障害を残さず症状固定日を迎えた。本人のリハビリ努力から完治と思われた。しかし、骨が折れてすべてが元通りとはならないはずである。

【立証ポイント】

この場合、骨折後の神経症状として14級9号を確保する仕事が求められる。主治医に面談し、顔面部のしびれや感覚異常などを自覚症状に書き加えていただいた。わずかな症状でも、しっかり主張すれば、ケガの程度や治療経過から神経症状を認めてくれる余地がある。

(平成26年6月)  

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