【事案】

自動車で直進中、センターラインをオーバーして対向車と衝突、横転した。同乗していた女性は頭部を強打、前頭葉の脳挫傷となった。記銘力、遂行能力の低下、軽度の情動障害、性格変化が見られた。また、匂いがまったくしないと訴えていた。

【問題点】

地方の出張相談会にご両親が相談にいらした。被害者本人は東京の大学に在籍のため都内に下宿しているとのこと。ご両親の委任を受け、都内で弁護士と対応を開始した。

まず、嗅覚障害を明らかにするためT&Tオルファクトメーター検査を実施した。結果は「嗅覚脱失」となった。 c_n_26

【立証ポイント】

結果は高次脳機能障害を立証、7級4号とし、嗅覚喪失で12級相当が併合され、併合6級となった。

続く賠償交渉では連携弁護士の請求に対し、相手保険会社は細かな計算の修正だけで請求額のほぼ全額を認め、異例の早期解決となった。立証が強固だとこのように「戦わずして勝つ」ことができるのです。

※ 併合のため分離しています。

(平成26年5月)  

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 続いて異議申立を経て認定に漕ぎ着けた2例を紹介。  

14級9号は治療経緯が大事です。

【事案】

渋滞で自動車停車中、後続車に追突されてむち打ちに。

【問題点】

左上肢のしびれなど神経症状を示すが、左手指に別にケガをしており、主治医がそれを既往症として事故の症状に混ぜてしまい診断書が混乱。なんとか二つの症状を分けて、診断書を修正頂いた上で提出も「非該当」の通知。どうも治療経緯に疑いをもたれてしまったよう。

【立証ポイント】

お馴染みの『頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について』、『神経学的所見の推移について』を揃えて、再度申請を行う。なんとか経緯の説明を信じて頂き、14級9号認定。上記2つの書類はあくまで医療照会に使用する書類なので、初回での提出を控えて自然な申請とするのが私流。なぜなら調査事務所が医療照会をかけるべきを最初から提出するなど、業者の介入が審査側の心象に障るからである。最初から提出することは控えたいが、本例はその例外だったのかもしれない。

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【事案】

自動車で直進中、センターラインをオーバーして対向車と衝突、横転した。同乗していた女性は頭部を強打、前頭葉の脳挫傷となった。記銘力、遂行能力の低下、軽度の情動障害、性格変化が見られた。また、匂いがまったくしないと訴えていた。c_n_2【問題点】

地方の出張相談会にご両親が相談にいらした。被害者本人は東京の大学に在籍のため都内に下宿しているとのこと。ご両親の委任を受け、都内で弁護士と対応を開始した。

まず、嗅覚障害を明らかにするためT&Tオルファクトメーター検査を実施した。結果は「嗅覚脱失」となった。続いて脳神経外科の主治医と面談し、神経心理学検査の結果を回収する。いずれも標準値を超えており、いくつか追加検査が必要であったが、本人の学習歴からもすべて高数値を予想した。事実、学校の成績は保たれている。障害の程度はいずれも軽度で、一見はなんの障害もないように見えた。

【立証ポイント】

微妙な変化・低下を明らかにするために、家族や友人の観察と日常生活状況報告の作成に重きを置いた。都内のキャンパスへ訪問し、ご学友から細かく聞き取りを行った。さらにご両親へは何度も手紙をやり取りして情報を集める。その集積結果をまとめて主治医に提示し、障害の全容を把握していただいた。このプロセスを経た後で、診断書の記載となった。その後、診断書の細かな修正を粘り強く働きかけた。

結果は細かな変化を汲み取った7級の認定、そして嗅覚喪失で12級相当が併合され、併合6級となった。

続く賠償交渉では連携弁護士の請求に対し、相手保険会社は細かな計算の修正だけで請求額のほぼ全額を認め、異例の早期解決となった。立証が強固だとこのように「戦わずして勝つ」ことができるのです。

(平成26年5月)  

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