c_g_a_5-118x300 16条請求とは自賠法(強制保険である自賠責保険のルール、被害者に有利な内容です)16条の定めによった保険請求の方法のことで、一般には「被害者請求」と呼ばれています。交通事故で後遺障害が残るようなケガの場合、被害者にとって絶対に検討すべき手続きです。最近は交通事故に力を入れている弁護士も被害者請求を推進するようになってきました。しかし、後遺障害の認定は相手の保険会社に任せる「事前認定」がまだ多くを占めています。受任しながら「事前認定」を看過している弁護士もまだ多数派です。    何度も双方のメリット・デメリットを語ってきました。

 ⇒ 事前認定 or 被害者請求

   この記事を読んでいただければ、双方のメリット、デメリットがご理解いただけると思います。被害者の立場とすれば、できれば16条請求が望ましいはずです。しかし楽なケースとやたら面倒なケースに分かれます。    治療費などを加害者側保険会社が「自由診療で一括払い」(病院に直接、自由診療の治療費で払ってくれる)してくれれば、その損保会社の担当者は自賠責に求償する必要から診断書・診療報酬明細書を病院から取得、所持しています。被害者はそれら申請に必要な診断書類、および事故証明書のコピーをもらうことによって、ほぼ書類は揃います。(画像の貸出しは微妙、拒否されることがあります)  しかし健保、労災が絡む件、一括払いを拒否された件は絶望的に面倒な手続きを強いられます。その労苦とは・・・  

1、健保、労災で治療費を確保した場合、あらためて病院に通院期間の自賠責用診断書・診療報酬明細書をお願いしなければなりません。  診療報酬明細書については病院はすでに健保・労災に発行しており、2重発行はできないと拒むケースが多くなります。診療報酬明細書とは病院にとって治療費の請求書なので、すでに健保・労災に提出して費用が精算されていれば、再び発行はできない・・・これは筋が通っています。ちなみに健保・労災は受け取ったこの明細書に従って病院に支払い後、被害者に過失がない、もしくは少なければ自賠責保険に求償することがあります。

 この書類の流れを説明できる法律家は少なく、病院の医事課の事務員や健保・労災の担当者も自分の所管する事務以外は把握していません。損保の人身担当者が一番詳しいと思います。

  2、従って、1で診療報酬明細書が入手できねば、健保・労災に診療報酬明細書の開示請求を行う必要が生じます。開示請求には開示申請、開示決定、謄写請求など、数段階の手続きが必要です。手間となにより時間がかかります。通院期間が長く、量が多いと開示決定に2~3か月待たされることがあります。  

3、病院によっては、健保・労災で治療した患者に対して、1の自賠責用の診断書の記載すら拒みます。その場合、病院の事務方、医師へ説得が必要です。  

4、画像の収集。病院によっては極度に画像の貸し出しを嫌います。またCD等の買取なら500円~2000円で済みますが、なかにはXPフィルム(レントゲン)のコピーを1枚1000円で売る病院も存在します。最近も骨折が多かった被害者さんは220枚も買わされるはめになり、22万円+消費税を支払いました。CDに焼ける設備がありながら、院内のルールだそうです。こうなると病院の悪意を感じます。

  5、これらの手続きに際し、患者本人ではない場合、同意書(しかも期限3か月以内を要求されることも!)が必要であることはもちろん、病院によっては「郵送不可」「患者本人のみ対応」「文書料金の振込み不可、窓口で現金払いのみ」など無駄に厳しいルールを盾に非協力的な対応も珍しくありません。なにより、事情をよく解っていない医事課(文書課)の事務員に説明、理解を得なければ進みません。

  

 このように書類・画像の収集が複数の病院に及べば、被害者はヘトヘトになります。交通事故被害者は複数の病院に行きやすく、先月は9か所!も通院した被害者がおりました。もしこれらの手続きを弁護士が受任したら、弁護士だけでなく事務所の事務員も事務の洪水と、病院はじめ健保、労災との折衝で消耗してしまいます。やはり「事前認定」を是認する弁護士の本音は「楽したい」ではないでしょうか?

 秋葉事務所ではこれらの手続きを弁護士から依頼され、ぶつぶつ愚痴を言いながら収集を進めています。6月はなんと病院16か所、労災開示1、健保開示2、そこから診断書、画像類で毎日大型事務所並の文章が行きかっています。(いつかその事務処理方法をマニュアルにしようと思っています。)

 医証収集のプロである以上、避けられない事務、ここで泣き言を言っては保険会社の人身担当者に笑われてしまいます。彼らも日々、自賠責への求償のため、医証の収集に忙殺されています。頑張らねばなりません!  

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自転車に衝突され負傷した時の慰謝料請求先は個人賠か施設賠償保険

 

近年、自転車による加害事故のニュースが目立つようになり、自転車事故の被害者からの依頼が多くなってきました。

 

秋葉事務所は自転車事故によるケガの場合も後遺症の等級をキッチリ獲得します

 

その後はキッチリ裁判基準満額の慰謝料を獲得できる弁護士へ引継ぎます。

 

 

自転車は道路交通法上、軽車両とされており、自転車での加害事故でも自動車と同じく損害賠償責任を負います。

当然ですが自動車には自賠責保険の加入義務があり、ほとんどに自賠責保険がついています。また走っている車の80%は任意保険が付保されています。

 

しかし、自転車には自賠責保険のような強制保険の制度はありません

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 今朝は5時起き、急ぎの書類を7時までに仕上げ、東京駅から新幹線で長野に。3時間かけての病院同行も、わずか10分の医師面談でした。しかし後遺障害診断書の依頼なので、医師との意思疎通が勝負どころとなります。特に本件は高次脳機能障害なので、お渡しする資料も多く、医師と綿密に打合せをする必要があります。患者の日常生活の状況や些細な事について伝達することが大事です。

20140626093613 その後、ローカル線で長野駅に戻り、再び新幹線で東京駅へ。新幹線はデッキで電話ができるので助かります。電話の折り返しをためこむと、事務所に戻ってから大変なのです。  東京駅で総武線快速に乗り換え、千葉県稲毛まで。そこからはタクシーを飛ばして、ギリギリ16:00の病院同行アポに間に合いました。

 ここでも診断書の依頼です。流れるように必要な検査のオーダーを済まします。これで後遺障害等級は確実に抑え込みました。

 そして画像の請求、書類の打合わせを終え、病院を出たのが17:30、病院前のバス亭からのんびり駅までバスで25分。稲毛駅からちょっと贅沢してグリーン車で新橋駅まで小1時間。グリーン車は机があるので書き物ができます。  19:30事務所に帰着、事務仕事をもう一踏ん張りです。平均21:00までは業務を終了させるようにしています。  

 このような強行軍はまさに紙一重の勝負。今日も目的を達し、時間通りに回れて、軽い勝利感を味わっています。

 自らを法律家と名乗っている行政書士先生が多いようですが、ご覧の通り、私は自らを実動家と思っています。行政書士を法律家とは思いませんし、まして先生など恐れ多い。実動家・実務家はどれだけ汗をかくかと、各所との調整作業の成否が存在意義です。そして交通事故解決の戦いの場は裁判所だけではありません。第1ラウンドは診断書の作成です。病院こそ私のリングと思っています。    今日は少しかっこつけました(^^;

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 最近、弁護士先生から寄せられた質問について、質疑応答。(内容は若干脚色しています)  

Q)肩甲骨を骨折した被害者さんですが、肩関節が脱臼し、もちろん整復はなされたのですが、以後も2度脱臼を起してしまい、肩関節に不安定性を残しています。この場合、後遺障害の認定は何級でどのように立証したらよいでしょうか?  

A) 不安定性と脱臼癖は程度の差と言えるかもしれません。

 イメージでは 不安定症 < 動揺性肩関節 < 脱臼ぐせ < 完全脱臼

 脱臼は大きく分けて2種、関節唇の損傷による前方脱臼(図1)であるバンカート病変、上腕骨の骨頭の損傷によるヒルサックス病変です(図2)。他には後方脱臼も外傷によって起きることあります。 バンカートxp続きを読む »

  新たな人材を求める必要から、行政書士を対象としたセミナーを開催します。  いよいよNPO交通事故110番主催の研修会が始まります。今や交通事故・後遺障害の研修機関として名実ともに国内最高峰との呼び声も高い交通事故110番、今まで交通事故業界に多くの人材を輩出しています。今回は弁護士ではなく、行政書士、メディカルコーディネーターを全国から募集しております。首都圏、東日本も人材難です。交通事故・後遺障害の立証を業務の柱としてやっていく覚悟の若手の方は是非ご検討下さい。  

 

第2回 行政書士のためのセミナー 「外傷と後遺障害」

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 5人の相談者と少なかったですが、充実した質疑応答となりました。内容はむち打ち3件、高次脳機能障害1件、鎖骨・肩甲骨骨折1件です。恒例の所感を。

  1、手遅れの相談

 すでに症状固定の時期です。通院内容は接骨院中心でMRIも撮っていません。通院日数も足りない。これでは「単なる捻挫で頑張って半年通い倒した被害者」とみられます。後遺障害の認定はほぼ絶望的です。毎回、手遅れの被害者に厳しい現実を言い渡さなければなりません。辛いです。  

2、高次脳機能障害は追加調査が

 高次脳機能障害の場合、その多くが見逃され易いため、平成23年の制度改定で疑わしき申請に対し、被害者家族、主治医に追加の医療照会が入るようになりました。その書類とは「日常生活状況報告」と「神経系統の障害に関する医学的意見」で、高次脳機能障害では必須の提出書類です。今回の相談者も不十分な申請書類で提出してしまいましたが、この医療照会で救われるかもしれません。しかし被害者とその家族の人生を左右する大事な後遺障害申請です。やはり完璧な状態で臨みたいところです。仕方ないですが、まずは結果を待ちます。

  3、根性で機能回復を図る

 持ち前の体力と根性で関節可動域がグングン回復しているようです。被害者としては優等生です。当然ですが後遺障害など残さず、治すに越したことはありません。しかし骨折が関節部に及べば完全回復はあり得ません。適当な時期に症状固定を進めて、しかるべき等級認定を受けるべきです。被害者は回復はもちろん、計画的に等級申請手続きをする必要があります。本件はそのような時期に、適切なアドバイスができて良かったと思います。

kansetu_25  だらだらと長く通院すればそれなりに回復します。月日も一番の薬です。結果として中途半端な回復で等級を逃し、涙をのむ結果となります。  

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 事務所は通常営業ですが、連日の激務でかなり疲労困ぱい。補助者に任せて本日は少しお休みをいただきます。電話・メールは対応します。

 決してサッカーを観るためではありません。外を見ると今朝の通勤時間は人が少ないように感じました。

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 シリーズ3つ目の質疑応答は、交通事故相談会でもおなじみの整骨院・接骨院への通院の是非です。

 頚椎捻挫・腰椎捻挫等で後遺障害が残らないような軽傷であれば整骨院・接骨院での施術でも問題はありません。また骨折等で整形外科の指示で併用通院などの場合、医師との連携が取れていれば後の後遺障害診断は大丈夫と思います。  問題なのは宣伝に釣られて、ついつい病院ではなく整骨院を選択してしまうことです。「交通事故専門院」「肩こり 腰痛」「各種保険取り扱い」などは違法表示スレスレらしいです。では、病院と整骨院の選択は患者の意思によることが前提として、保険のプロである代理店はどのようなアドバイス、フォローが望まれるのでしょうか。  

(質問)  むち打ちの被害者さんです。後遺障害が望めそうであっても接骨院・整骨院に通いたいとの希望が強い場合はどうしたらよいでしょうか?

  (回答)  まず症状を観察し、軽度で1~3か月の通院で済むケガ、軽い事故なら問題ないと言えます。しかしひどい症状、通院が長期化しそう、手指のしびれなどの神経症状がみられる場合、後遺障害の可能性があります。はっきり「70万で示談か300万を目指すのか」説明して差し上げなければなりません。できれば近隣のリハビリ設備が整った個人開業医を紹介、もしくは一緒に探してあげて下さい。接骨院・整骨院とほぼ同じ設備が揃っています。 pics317

 

 やはり、症状の重さを観察し、適切な振り分けをする「目利き」がポイントです。そして後遺障害等級を得ることによる賠償金の絶大な差について、情報として被害者に知らせるべきでしょう。その上での被害者の判断であれば何の問題もありません。

 契約の際、保険の内容説明の徹底は保険業法で厳しく代理店に課されています。事故で支払われる保険金・賠償金についても保険会社が明示しないことがたくさんあります。保険会社と交通事故被害者、この二者の情報格差を埋めるのも代理店さんの義務ではないでしょうか。少なくとも大切な顧客様へのサービスであることは間違いありません。  

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 今朝はディープ神奈川へ向け、久々にロマンスカーに乗りました。

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 いつもの通り病院同行し、医師面談をしました。患者の微妙な症状について医師と相談しましたが、立証に向けてなかなか苦戦しそうです。

 ご依頼者様からは昼食をごちそうになり、お土産までいただきました。私はまだ何も成果を出していません。恐縮しきりで秦野を後にしました。

 Tさまありがとうございました。  

 秦野は山々に囲まれ、雨天のせいか緑が鮮やかでした。箱根の山は目の前です。このまま下りのロマンスカーに乗って箱根まで足を延ばせたら・・・いかん!最近、現実逃避の妄想・願望が強いようです。

 

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 代理店さんの契約者さんが事故で脚を骨折しました。半年後、骨の癒合は良いものの、わずかに膝の曲がりが悪く、痛みが残っています。リハビリを続けても改善が進みませんし、相手の保険会社も治療の打切りを迫ってきます。そこでSC(保険会社の支払い係)から後遺障害診断書を預かり、医師に記載していただくよう契約者さんに渡しました。

 ところが後日、契約者さんは途方に暮れて帰ってきました。医師に依頼したところ、「骨の癒合は問題ないので後遺症はない。無駄だから書かない」とのことです。

 その後、再三にわたり頼んで、ようやく解読不能の達筆で一行だけが記載された診断書が返ってきました。     (質問)  代理店さん:「後遺障害診断書を書いて」と依頼しても医師が書いてくれない、また書いてくれたとしてもかなりいい加減で困っています。どうしたらよいでしょうか?

 

(回答)  秋葉:代理店さんが病院へ同行して下さい。通常、患者は医師の言いなりとなります。そこで患者の代わりに医師に事情を上手に伝える必要があります。代理店さんの交渉力が発揮される場です。ここで顧客様を助けて差し上げれば、信頼は絶大です。

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  (解説)  医師の仕事は当然ですがケガを治すことです。後遺障害とは「治らなかった」ことであり、その診断書は「治せなかった」証明書です。医師は日々患者の治療で多忙を極めています。このような書類仕事はやりたくない仕事のNo.1です。まして自身の治療努力が叶わなかったことを書かねばならないのです。

 やはり、簡単に、自動的に、間違いなく、仕上がる書類ではないのです。孤立無援の被害者には誰かの助けが必要なのです。しかし、仮に代理店さんや弁護士、メディカルコーディネーターが診断書の依頼に奔走したとしても、保険会社は冷ややかです。建前上、医師が記載の判断をする、さらに医師が書くものに間違いはない、との認識を示します。これが先日のシリーズ「弁護士費用特約にまつわるエトセトラ⑥」につながります。    現場の代理店さんが嘆くように、後遺障害診断書の正確な記載とは、本来全件そうあるべきであるのに関わらず、多くが不記載・不正確・不十分の三重苦となる傾向です。これが現実です。世の中、正しいことが必ずしも行われていないものです。そして、この書類で被害者の運命は大きく左右されてしまうのです。 続きを読む »

 先月の代理店内研修から、質問と回答を取り上げたいと思います。  私自身、長く損保業界におりまして代理店経営を通してそれなりに経験を積んできました。しかし交通事故外傷に深く関わる現在の仕事になって初めて知ったことがたくさんあります。損害保険のプロである代理店さんと言えど知らないことが実に多いのです。特に後遺障害の知識については、意図的と思えるほど保険会社は隠匿して代理店や社員に教えていないと感じています。  そのような中、研修会では活発な質疑応答が展開します。おなじみのQ&A方式でいくつか紹介します。

  (質問)  相手が任意保険に入っていません。しかし被害者請求しなくても契約者さんに人身傷害特約が付いています。人身傷害の対応で問題ないでしょうか?

(回答)  確かに治療費の確保が出来て一安心です。しかし慰謝料はあくまで任意保険会社基準です。特に後遺障害が残るような重傷では、最終的に弁護士の請求する金額の半分以下(注)で解決となり、大変残念です。その場合はまず治療費・休業損害は人身傷害で確保します。そして後遺障害についてはあくまで相手を訴え、判決をとってから、判決額を自身の保険会社の人身傷害特約と無保険車傷害特約に請求します。人傷社はその判決額をそれなりに尊重します。これでもらえる金額が14級でも100万以上差がつきます。

 人身傷害特約ですべて解決では大損します。

c_y_164 謝るよりちゃんと補償せい!

(注)高齢者や被害者に過失割合が大きい場合はその限りではありません。  

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20140613083012 今日から2014サッカーワールドカップが開催です。残念ながらこの忙しい中、ゆっくりテレビを見る暇はないです。

 それほどサッカー好きというわけではありませんが、世界各地どこへ行っても共通の話題はサッカーでした。言葉が通じない国でもサッカー選手の名前を挙げれば会話が成立しました。それはイタリア、ドイツなど盛んな国に限らず、トルコでもロシアでもタイでも会話のつかみはサッカーです。

   さて本日の病院同行で降り立った駅は浦和美園駅です。ご存知と思いますがここは埼玉スタジアムの為にできた駅です。ここで12年前の2002日韓ワールドカップでは因縁の対決、イングランドvsアルゼンチンの試合が行われました。この埼玉の片田舎に世界中から4万人が集まったなんて信じられません。埼玉史上、もっとも国際的であった1か月でした。試合はベッカムがシメオネの挑発に乗って退場となったことが記憶に残っています。

 そのようなことに思いをはせ、病院へ向かうバスに乗り込みました。梅雨の谷間の晴天、日差しは容赦ない真夏のそれ、しかしどこかで雨が降っているのか、時折、涼やかな風がそよぎます。このままバスでどこまでも行ってみたい気分でした。

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 先日まで①~⑤のシリーズで軽傷事案の解決方法について長々と書きました。

 保険会社と妥協的な示談解決でもそれほど損はでない・・・このような結論が見えているのに、数字を出してシミュレーションしてみました。冗長で無意味な文章にも思えましたが、一度整理しておきたかったテーマでした。  

 さて、類似のテーマ・解説をネットで探してみました。結果は市販されている交通事故解決本の教科書的な記述一辺倒でした。専門家を名乗る弁護士や行政書士のホームページのほとんどが教科書的な解説で、自らの言葉で語っているページは少ないようです。そこで思い当たるのがホームページ製作会社のひな形です。業者によると販売用に「交通事故弁護士」「交通事故行政書士」のひな形が完成されているそうです。それにはノウハウ、知識のコンテンツがぎっしり詰め込まれています。制作を依頼した事務所は定型化されたものを流用しているに過ぎないのです。どうりで同じような解説ばかりだなぁ、同じ本から写しているのかな・・と感じていました。専門家を名乗る法律家が自らの言葉で書いていないのは寂しい限りです。

 依頼者(被害者)が自らの窮状を救ってくれる専門家を綿密に調べているとします。やはり頼りになるのはホームぺージです。しかしそこで書かれていることを信じていざ面談してみたところ、対応した先生がホームページに書かれていることをまったく理解していない、説明できない?なんて珍場面も想像できます。

 しょせんホームページは宣伝媒体、言わば食堂のディスプレイです。しかし席に着いて注文したらメニュー(写真)と違う食べ物がでてきたらどうでしょう? 

 と言いながら、このホームページも交通事故110番のコンテンツをリンクしています。書かれていることは責任を持って説明できるよう、必死に勉強・実戦を積んでいるつもりですけど・・・

   やはり自らの言葉で語る、記事を作っていく、これを愚直に続けていきたいと思います。

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 さて、昨日の試算から軽傷案件は費用倒れすれすれであることがわかりました。「弁護士先生、なんとか報酬20万円以下でお願いします!」の状態です。方々の交通事故相談に出向きましたが、なかなか引き受けてくれる先生が見つかりません。どうしましょうか?  

保険会社マターとするか弁護士マターとするか

 以上から軽傷案件の場合、保険会社と争わずに速やかな解決を目指すなら、慰謝料は少ないですが直接交渉でも良いような気がします。このような案件を私は「保険会社マター」と呼んでいます。

c_y_79 保険会社は支払額が自賠責保険以内なら自腹が痛みませんので、提示に対して印鑑を押すだけで解決が可能です。保険会社は3か月程度の捻挫・打撲では常に自賠責保険の範囲での解決を目指しています。治療費や休業損害で交渉余地が少なく、経済的利益がわずかしか見込めないなら、妥協的な解決でも仕方ありません。実際、ほとんどの軽傷事案は保険会社マターで解決しています。

 しかし感情的になってしまい、保険会社と上手く交渉できない被害者や弁護士の交渉で増額が見込める余地が相当にあれば、弁護士に依頼することも一考です。問題は引き受けてくれる弁護士をみつけることででしょうか。  

そうだ、弁護士費用特約があるじゃないか

 弁護士費用特約(以下 弁特)に加入している被害者であれば、弁護士への報酬は保険で賄えます。試算ではおよそ20万円前後に損得の判断がかかっていますが、その心配はなくなります。    弁護士事務所の多くが弁護士費用特約がある場合、旧日弁連基準とほぼ同じ報酬体系を打ち出しています。仮に弁特社(自身が弁特に加入している保険会社)に20万円の増額に対して、その基準で報酬を計算しますと・・・

(計算) 着手金  8% 成功報酬 16%

合計 200000円×(8%+16%)=48000円+消費税8%=51840円 となります。  

 少なすぎますね。交渉の手間を考えれば費用倒れしない範囲での金額、やはり20万円程度が妥当と思います。

 ところが20万円程度の増額の案件に対しても30万円以上の請求を続けた法人事務所がありました。この事務所はすっかり保険会社から嫌われました。通常、費用倒れの案件です。普通なら引き受けません。しかし「弁特社が払うからいいじゃん」、このような受任姿勢は倫理的に問題があると思います。

 弁特があれば確かに弁護士に委任しやすくはなります。しかし軽傷事案も当然に倫理的な相場を考慮する必要があります。増額の見込みが些少な案件は引き受けづらいことに変わりはないと思います。  

紛争センターの斡旋を利用

 自力直接交渉、弁護士委任ではない第3の方法も残されています。それは財団法人 ...

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 先日の内容から弁護士に依頼した場合の損得勘定をしてみましょう。    ueshima 訴えてやる!

① 治療の継続による治療費請求

 弁護士の交渉により1か月通院が伸びました。治療費は病院に払われるものですので賠償金として加算しません。

 しかし延長の条件として健康保険を使った場合は別です。自己負担額(0~30%)がありますのでその分は獲得した賠償金と言えます。

(計算例)   一回のリハビリの点数を200点としますと、健保治療の場合1点=10円ですので2000円、そこから3割負担の国保(自営業)なら600円が自己負担です。その600円×1か月の実治療日数が15日なら、600円×15日=9000円をゲットしたことになります。これがこの弁護士の交渉による成果といえます。  

② 休業損害の証明

 この自営業者さんは保険会社の最低補償である5700円/1日から7000円へアップできました。

(計算例)  受傷から3か月間の実治療日数45日までが認められたとして、7000円-5700円=1300円×45日=58500円の増額を弁護士の交渉により、勝ち取ったことになります。  

③ 慰謝料の妥当性

 これは先日の表を見れば一目瞭然、弁護士が介入しなければ認めてくれなかった赤本基準をしぶしぶ保険会社は払います。

(計算例)  3ヵ月の保険会社慰謝料378000円が530000円に、さらに治療期間の延長により4か月=670000円。 670000-378000円=292000円です。

 もし治療の延長がダメだったとしても152000円の増額です。    

軽傷の場合、弁護士に依頼した方が良いのか否か?

 今回のシミュレーションではやっと受任してくれる弁護士を見つけ、その交渉により、① 治療費で9000円、② 休業損害で58500円、③ 慰謝料で292000円の合計359500円の増額を勝ち取りました。

 さて問題はここから弁護士に報酬を支払った結果の費用対効果です。

 この弁護士は着手金を20万とし、成功報酬を20%で契約しました。  

(計算例) 着手金  = 200000円 成功報酬 359500×20%=71900円 ...

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 先日のプラトー骨折で膝関節の可動域制限が用廃レベル(8級=15°までしか曲がらない、もしくは健側(ケガをしていない方)に比べて10分の一以下しか曲がらない)の被害者さんを対応しました。骨折部は手術でプレート固定とし、リハビリを続けていました。幸い癒合状態も良く、9か月後に抜釘(金属を抜く)をし、症状固定を迎えました。しかし関節の可動域はある時期から回復せず、関節硬縮を起しています。 

部位

主要運動

膝関節

屈曲

伸展

合計

正常値

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 中断していましたが、再開します。  

 人身事故で95%を占める、後遺障害のない、どちらかと言えば軽傷事故。それでも多くの場合に争点となるのが、

① 治療の継続による治療費請求

② 休業損害の証明

③ 慰謝料の妥当性

 前回は被害者が相手保険会社と交渉するケースを検証しました。それでは、この煩わし交渉を弁護士に依頼した場合をシミュレーションしてみましょう。

 

2、弁護士に依頼

① 治療費

 治療期間が3か月に及ぶ頃、相手保険会社が「そろそろいかがでしょうか?」と電話がかかってくるようになりました。まだ痛むと言って治療を伸ばしても担当者はだんだん強硬になってきました。そこで知人の紹介で弁護士の紹介を受け、相談したところ、「むち打ち」程度の軽傷では受任しないそうです。そこでホームページで交通事故に強いとある弁護士に相談しましたが、「後遺障害の等級が取れてからまた連絡を」との対応です。さらに検索してようやく数件目で受任してくれる弁護士事務所を見つけました。  その弁護士さんは治療の延長を交渉し、なんとかあと1か月の延長を取り付けました。代理人・弁護士のおかげで少しの間、一心地です。  

② 休業損害

 しかし休業損害の延長については弁護士もあきらめムードです。なぜなら、むち打ちで何か月も会社を休むなどそれ相当の医師の診断がなければ難しいと言われました。

 もっとも問題となっていたのは休業日額です。自営業者で所得は実態より少な目に申告していますが、その申告書の数字から相手保険会社は譲りません。現状、1日=5700円の最低補償(自賠責)基準の算定額しかくれません。

 弁護士は「売上-経費=所得」の計算を少し修正しました。売り上げから引かれている経費の項目で水道光熱費、損害保険料(自動車保険の掛け金、個人事業税)など、被害者本人が休業していても待ったなしにかかってしまう経費を所得に加算しました。これで相手保険会社の5700円から7000円にアップしました。これ以上の金額は総勘定元帳などを作成して交渉することになります。弁護士は税理士にお金をかけてまで立証書類を作成する増額効果が少ないこと、倫理的には申告書を基とすべきことから、これ以上は断念するようにとのことです。  

③ 慰謝料

〇 自賠責保険の慰謝料計算 通院1日4200円、3か月間:2日に1回ペースで通院 ⇒ 378000円

〇 任意保険の3か月慰謝料は 上と同じ頻度で通って ⇒ 378000円

〇 赤い本基準のでは 同条件で ⇒ 530000円

 (別表Ⅱ⇒むち打ちはここでみます)

 慰謝料はズバリ以下の表をみて検討してみましょう。

 傷害部分の慰謝料比較(単位 万円)

傷害部分慰謝料

治療期間

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 福生(東京)、松戸(千葉)、湘南(神奈川)、川中島(長野)、川越(埼玉)、5都県にまたがり今週は連日、病院同行です。月・火は一早く猛暑の気配、しかし水曜の長野では涼しい風が衣替えしたシャツの裾をすり抜けました。涼しくなったと思ったら、どうやら梅雨入りのようです。今度は連日の雨。

 急激な寒暖の差で体力を奪われていますが、大勢の依頼者様、弁護士先生が成果を待っています。頑張らねば!

20140605154637   事務所前の紫陽花です

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 昨日の例の他、弁護士の仕事について等級認定後の賠償交渉によって獲得した金額のみを成果とし、「自賠責保険の金額を成功報酬の対象計算から控除して下さい」とする保険会社が少なくないようです。実例から説明します。(やはり仮名)  

後遺障害等級は自然に決まるもの?

 大島先生率いるAKB法律事務所は本格的に交通事故業務に力を入れています。

『これからの交通事故は等級認定前から受任して、しっかり等級認定からお手伝いすること、初期対応することです。これこそ被害者救済であり、「等級が認定されてからまた来てください」などと言う旧来の事務所の姿勢ではダメです!』  大島弁護士はこのような交通事故対応を掲げて、受傷直後から被害者に寄り添い、物損の解決、休業損害の請求、労災の手続きなど手続きはもちろん、病院同行を繰り返した末に後遺障害・被害者請求を行いました。そして12級を獲得、その後は紛争センターに持ち込み、あっさり赤本満額で解決を果たしました。  依頼者は想像以上の高額の賠償額でびっくりです。何より大島先生は受傷直後から色々な手続きをしてくれた上、病院にまで一緒に来てくれ、一生懸命、等級の認定に尽くしてくれたので大満足です。

 大島弁護士は最後に弁特社(被害者側の保険会社)に弁護士費用特約を請求しました。後遺障害12級(自賠責で先に224万円獲得)に加えて最終受取額が700万円です。合計924万円に対して成功報酬を計算、1656000円の請求額です。  

 しかし弁特社の担当者の支払い回答は・・・  

担当者:「大島先生、自賠責の224万は報酬計算から引いて下さいよ」  

大島弁護士:「えっ?うちは受傷直後から等級認定も含めて仕事をしているのですよ」  

担当者:「いえ、等級認定は医師が書いた診断書を出すだけなので先生の仕事ではないですよね?」  

大島弁護士:「失礼な!本件は病院同行して、検査先に誘致して、陳述書を添えて・・・大変な作業で乾坤一擲、12級認定を勝ち取ったのですよ!」  

担当者:「それなら事前認定(相手保険会社に認定業務を任す)すればよかったのではないですか」   

大島弁護士:「キーッ!」

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 等級認定後の受任ならば当然として、確かに等級認定作業を「事前認定」つまり加害者側保険会社に任せれば、その事務所は立証作業を放棄しているのですから報酬計算に自賠責保険金額を含めないことは正当な考えです。しかし本件のように等級認定に関する立証作業と書類集積作業が代理人の腕の見せ所であり、むしろ賠償交渉より大変な作業となることもあります。

 後遺障害は被害者請求を基本とし、交通事故の初期対応を売りとしているAKB事務所のような弁護士事務所も増えてきました。さらに私のように「後遺障害の立証作業が事故解決の勝負どころ」と捉えている業者も存在します。「後遺障害の立証など無用、何もしなくても自然に等級が決まる」など、保険会社のあまりにも建前的、独善的な発想と思います。もちろん立証作業の効果薄い案件(足の切断のように見たままの障害)は除きますが。

   このように、なんとしても保険金支払いを削減したい保険会社と法律家の弁護士費用特約をめぐる争いは続きます。いい加減な仕事で多額の弁護士費用を請求する弁護士、行政書士が大勢存在するのが問題の根底です。それらの困った先生が存在する以上、保険会社の意地悪な支払い対応はなくなりません。真面目な大島先生の苦労は絶えないのです。  

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 弁護士費用特約は交通事故で代理人を雇う場合、被害者にとって重宝する特約です。しかし普及率は上昇するも使用率は低く、まだ一般的な印象は受けません。しかも保険会社の支払い基準は不明瞭で、各社、各担当者、案件ごとにまったく統一的な運用が成されていません。また、依頼を受けた弁護士・行政書士が費用を依頼者からではなく、直接、保険会社に請求することから、保険会社ともめることが多いようです。

 さて、最近の払い渋り、いえ、支払額提示で面白い対応をした保険会社をある弁護士先生から聞きました。今回はそれを紹介します。(仮名とします)  

弁護士に支払う報酬は人身傷害特約の支払い基準を超えた額から計算します

 AKB法律事務所の前田先生は被害者の後遺障害の申請を代理し、被害者請求にて等級獲得後、賠償交渉を経て解決させました。最終的な賠償獲得額は1500万円です。ここから着手金と成功報酬を合わせて252万円(旧日弁連基準報酬)を保険会社に報酬を請求したところ、請求額全額に応じられないとの返答です。その保険会社の計算とは・・・  

担当者:「本件の場合、弊社の契約に付帯していただいている人身傷害特約に先に請求して下されば700万円を支払うことができました。したがって弊社の特約を使わずに相手から獲得した賠償額は実質800万円と考えます。よって800万円に対する報酬を旧日弁連基準で計算します・・・

 800万円×(5%+10%)+9万円+18万円= 147万円 をお支払いします。  

前田弁護士:「えーっ! 頑張って後遺障害認定業務も行ったのですよ!」  

担当者:「いえ、頑張ってもらわなくても弊社の人身傷害特約を使っていただければ、700万まではお支払できたのです。それを敢えて被害者請求を行ったので、弊社としては700万円を超えた額である800万円を対象として計算します。」

  前田弁護士:「そりゃないよ~」

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 この担当者の払い渋り、いえ、報酬計算には思わず「座布団一枚!」、一休さんのとんちを見るようです。このような鮮やかな(へ)理屈を持ち出す保険会社、さすがとしか言いようがありません。

 しかし本例の場合、契約者(代理人 弁護士)の意向は、あえて人身傷害特約を請求せずに相手に賠償請求をすることです。契約者の代理人が行った一連の作業とその成果を尊重しない保険会社の姿勢はやはり問題があると言えます。これを弁護士費用特約のスタンダードな報酬計算とすれば、金融庁だけではなく契約者からも非難は避けられないと思います。   

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