本日の病院動向はCRPSの疑いのある被害者です。骨折後、癒合も進むも、半年以上たっても痛みが無くなりません。いえ、さらに増悪しているともいえます。痛みを感じる神経が暴走、一向におさまりません。これは器質的損傷から神経損傷が推定されるのでTypeⅡ(カウザルギー)に類別されます。
しかし臨床上、医師がそう診断したとしても、自賠責保険、労災、その他障害認定において行政側の判断は厳密な基準をクリアしなければその診断名とはなりません。カウザルギーの場合、他覚的所見として骨萎縮、骨の脱灰現象、皮膚色・温度変化、浮腫などが観察されなければなりません。立証するにはMRIや骨シンチ、サーモグラフィーなどの検査結果も必要です。さらにそれらを総合した専門医の確定診断が必要です。すると多くの方はこれらの条件に及ばなくなります。 本件も主治医の診断がカウザルギーでも自賠責保険の後遺障害としてはその診断名を維持できないとみています。そもそも自覚症状としてアロデニア(灼熱痛)が絶対的な所見です。これはちょっと触っただけで悲鳴をあげるレベルですが、本件被害者はそれほどの反応ではありません。
こうして臨床診断と行政判断が食い違い、「私はなんの障害なの?」被害者は混乱してしまうようです。これを私の立場から時間をかけて説明していくことになります。
医師の診断は絶対ではない?この仕事ではなかなか悩ましい問題です。