2、視覚認知機能、失認、失行
☐ 歩いていてよく左肩をぶつけませんか?
左目が見えないというより左目に映る映像を認識できない状態です。これは「半側空間無視」です。圧倒的に左側に問題が生じます。通常、人は眼に映った情報を脳で解析しています。しかし脳の解析システムが故障することよって、映るものが認識できない状況に陥るのです。したがって当人は見えてないことすら自覚できません。コブクロのギターを持っている方しか見えない?状態です。
以下の兆候がないか家族から聞き取る必要があります。
・ 食卓に並んだいくつかのおかずの皿から右半分しか箸をつけない ・ 片側から話しかけられても反応しない、片側に人が立っていても存在に気づかない ・ 家の絵を描かせると片側半分だけしか描かない
☐ 右手を出してと言われて左手を出したり、よく左右を間違えませんか?
左右の側頭葉のどちらかが損傷した被害者で数例、経験しています。左右が定かではなくなり、よく右と左を間違えます。一般に「左右失認」と呼ばれています。些細な事のようですがこの障害から様々な場面で判断力が低下する傾向があります。 また病院内で一回廊下を曲がると帰ってこれない、自分の位置に混乱をきたす「空間認識能力の低下」などは右側頭葉の障害で経験があります。
☐ 主治医の顔、もしくは新しく会った人の顔を覚えられないなどありますか?
顔を覚えるのが苦手のレベルでは済まない症状は「相貌失認」と言われています。相貌失認では人の区別だけではなく、「笑っているのか、怒っているのか」など表情を読み取る観察力も失われることがあります。
☐ 箸やスプーン、歯ブラシが使えなくなったり、よく使っていた電気器具の使用法を忘れてしまったことはありますか?
「失行」とは日常動作がスムーズにできなかったり、今まで使っていた道具が使えなくなる障害です。着衣の動作がぎこちない、ズボンを逆に履いてしまう、さらにそれに気づかない、愛用していたステレオが使えなくなった…。ご家族から色々エピソードを聞き出します。 続きを読む »