九州初上陸! 日曜日、早朝の便で博多に降り立ち、相談会に参加、お手伝いをしてきました。

 高次脳機能障害の相談がありました。ご家族の観察を聞き、脳の画像をチェック、現在までの治療経過を確認しました。今後、障害の立証を左右するのは、病院の検査体制、主治医の理解の二つです。脳外傷の治療ができる病院でも、必ずしも障害の検査設備がそろっているわけではありません。むしろ「当院は治療に限定なので、検査はよそでやって」と割り切っている病院の方が普通なのです。また担当する医師も、くも膜下出血や脳腫瘍の患者を助けることが一義であり、その後の微妙な障害に対して、関心が薄まっていきます。

 このような環境から高次脳機能障害は見落とされやすい障害と言えます。この日の相談者も治療してきた病院から、障害を立証するための検査体制のある病院、回復のためのリハビリ訓練ができる病院を探す局面にきています。検査先への誘致や医師との打ち合わせにコーディネーターの調整作業は不可欠です。したがって北九州へ何度か足を運ばざるを得ないかもしれません。それだけ高次脳機能障害立証に長けた法律関係者は少ないのです。

 「高次脳機能障害は任せて下さい!」・・・(医学書丸写しですが)専門的な知識を掲載している法律関係者のHPがたくさんあります。私は少し変に思っています。年間わずか3000件程度が認定される障害です。この少ない被害者者のなかで、法律家が関与しているのは1割程度と思います。なぜなら被害者請求の割合は後遺障害の申請全体で10%を切っているからです。90%は事前認定(加害者側の保険会社に認定手続きを任す)なのです。ほとんどがきちんと検査をせずに、不十分な診断書を調査事務所へ提出して審査をしているのではないかと思います。それらを除くとして、全国で一年間に300件が法律家の手によるもと推測します。ひと月あたりたった25件です。この数ではそんなにたくさんの「専門家」がいるはずがない?と思いませんか。

 交通事故110番のマニュアルを片手に、年間1~2件扱った程度で自信満々、「高次脳機能障害に精通しています」と胸を張ってもらっても困ります。被害者と家族はその人生がかかっているのですから。

 夜はフグ料理に舌鼓を打ちました。今回の相談会へは交通費・宿泊費等、全くの手弁当でした。晩御飯くらいは奢ってもらわないと(笑)

  

 フグ尽くしで”しびれ”ました・・・翌日は大阪で仲間と打ち合わせ、先ほど東京に戻りました。

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【事案】

強烈な追突事故の被害を受けたもの。衝撃の激しさは写真、他の資料で十分に確認できる。

【問題点】

・受傷直後より頚部痛、腰部痛、左肩痛、耳鳴りなど各症状を強く自覚しているが治療先は整骨院のみ。

・インターネットで調べた結果、脳脊髄液減少症?の可能性があるのでは??と不安に。

【立証のポイント】

整骨院のみの通院など問題外。 受傷直後の相談であったことから全力で医療コーディネートを行う。

①まずは神経学的評価が確実な整形外科をご案内。そこから3テスラMRIのオーダーを受ける。つまり、12級13号に対応可能な状況を作る。検査の結果、一般的には14級レベル?と判明したため一安心。落ち着いて治療に専念していただけた。

②難聴・耳鳴りの評価が完璧な耳鼻咽喉科をご案内。激しい事故受傷であった場合、TCS由来の耳鳴りも後遺障害の認定を受けることができる、というのは私たちが大騒ぎしている事実だが、本件もその方向性に対応できるようコーディネートを行った。なお、脳脊髄液減少症は、比較的早い段階で主治医に否定されている。

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事実の全てを申請書に落とし込み、本人申請。無事に耳鳴りで12級相当が認定された。

※本件は併合の事案のため分解して掲載しています。

(平成25年1月) ★ チーム110担当  

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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