何故、病院は自由診療にこだわるのでしょうか?もうお察しと思いますが、治療費を高く請求できるからです。治療費の請求内訳は点数で計算します。注射が300点、点滴が500点…などと診療報酬明細書に記載されています。この1点当たりいくらで設定するか?自由とはこの1点当たり○○円とする自由です。通常、各県医師会申し合わせの点数設定がなされています。1点は健康保険=10点、労災=12円、自由診療=12円と暫定的な指標を設定しています.
この2割増程度の差なら問題は起きませんが、交通事故をはじめ、第三者による加害行為での自由診療=12円ではない県が多いのです。 交通事故については損保業界と医師会の間でも1点12円の暫定的な合意がなされています。しかしあくまで暫定的、かつ各県医師会のそれぞれの合意に過ぎず、単価もバラバラ、そして東京都およびその近郊の県は未だ合意がありません。地域医師会が莫大な数の病院をまとめきれないこともあり、暗黙の了解事項ということで点単価の相場が1点20円となっています。東京、千葉、埼玉、茨城、神奈川など首都圏、大阪周辺などが20円以上となっています。とくに埼玉県は「20円と30円の混合方式。総額90万円を超えたら健康保険水準を適用しても構わない」…これが悪名高い「埼玉方式」です。
患者を無視した医師会と保険会社の勝手な合意は不健全とも言えますが、法的な見解ではいくつかの判例で違法とまでは判旨されていません。しかし少なくとも不透明には感じますね。