平成23年4月の改定事項において高次脳機能障害の「疑わしい案件」について事前照会をかける、といった件がありました。これについて照会方法と用紙が判明しましたので報告します。 (高次脳機能障害を扱う法律職者必見!)
<まず改定内容のおさらい>
後進障害診断書において、高次脳機能障害を示唆する症状の残存が認められない(診療医が高次脳機能障害または脳の器質的損傷の診断を行っていない)場合・・・
高次脳機能障害(または脳の器質的損傷)の診断が行われていないとしても、見落とされいる可能性が高いため、慎重に調査を行う。具体的には、原則として被害者本人および家族に対して、脳外傷による高次脳機能障害の症状が残存しているか否かの確認を行い、その結果、高次脳機能障害を示唆する症状の残存が認められる場合には、高次脳機能障害に関する調査を実施の上で、自賠責保険(共済)審査会において審査を行う。
つまり「高次脳機能障害をよくわかっていない医師にあたってしまった場合でも、一応、高次脳機能障害を疑って調査をする」、ということです。今までの冷たい門前払いからの進歩ですが、すべてにおいて提出書類がものをいいます。つまり後遺障害の申請が書類審査である以上、書類の完備という基本は変わっていません。今までは門前払い案件に対し、異議申立てをする際にこれらの書類を追加提出していました。たとえばカルテや看護記録の開示を行い、家族の申述書(受傷時~現在の症状)を作成、添付する等です。したがって最初から調査事務所が疑わしき案件に対し、家族と医師に「症状の照会」をかけてくれるのなら一定の救済が果たせます。本来、全件そうすべきと常々思っていました。
では照会はどのように行われるか?
医師、本人(ご家族)に対して、以下の用紙を送り回答を求めます。これは高次脳機能障害の診断書に添付する重要な副診断書とも言うべき書類です。高次脳機能障害にたずさわる者にとってお馴染みのものです。新しく照会用紙を作ったわけではなかったようです。(少し肩すかし)
医師に対して → 「神経系統の障害に関する医学的所見」