【事案】

大型ダンプカーとの正面衝突。生き死にの点では奇跡的に無傷と言えるが、顔に傷跡は残った。

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【問題点】

傷が薄いが事実としてそこに存在する。果たしてー

【立証ポイント】

傷の度合いが微妙な薄さであったが、女性である被害者にしてみれば一大事。光の加減で見え方が変化するため、複数の状況・複数の角度、多角的に写真を準備して申請に臨んだ。

※ 併合の為分離しています。

(平成24年5月)  

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【事案】

大型ダンプカーとの正面衝突だが奇跡的に無傷。事故のフラッシュバックが残存し、うつ状態、PTSDとの診断。 c_g_ne_82

【問題点】

器質的損傷があることが全てである自賠責の世界において、非器質性精神障害の証明は難しい仕事となる。つまり、非器質性精神障害であることが既に問題点。

【立証ポイント】

事故状況、被害者の日常生活状況、医師の見立て、全体を総合して真実であることは間違いないと被害者側の誰もが訴えるが、客観的立場にいる自賠責調査事務所から信用されなければ何の意味も無い。担当行政書士は、全ての立証に通じる 「嘘や脚色を一切剥ぎ取って真実だけを抽出する意識」 を強く持ち、丹念に全ての異常をピックアップ。同時に、事故と無関係と思われる訴えは冷徹に切り捨てる。この作業を繰り返して陳述書を作成、事故状況や新聞記事、実況見分謄写など周辺資料もまとめ上げ、満を持しての被害者請求。

結果、PTSDについて12級13号の認定を受けた。

※ 併合の為分離しています。

(平成24年5月)  

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【事案】

バイクで直進中、交差点で左折自動車に巻き込まれ転倒。

【問題点】

レントゲンでは骨折等骨の異常は見られない。しかし右足の腫れがひどく、腫れがが長期にわたりひかない状態。そこで私の出番。周辺靭帯の損傷を疑いMRI3.0テスラで疑わしいところをピンポイント精査。しかし内出血の病変は認められるが、直接の病変部が不明。

相手保険会社も「捻挫だから・・」と軽視し、担当者も「実際に面談時に見ましたが腫れは引いてます」と手前勝手な判断で、半年で治療費を打ち切った。さらに接骨院中心の治療から、整形外科の主治医も後遺障害診断に迷惑顔。

【立証ポイント】

腫れの状態、長期化が尋常ではない。しかし、画像からは病変部が突き止められない。

治療費の打ち切り後、健保使用で整形外科に通院継続。主治医の信頼を得た上で、左右の足の周径を計測し、1cmの左右差を後遺障害診断書に記載。具体的には「靴のサイズを左右違える必要がある」等の主張と、事故から適時撮影した足の写真11枚を添付する。

結果として骨折等の器質的損傷は不明であるが、治療経過から「神経症状の残存」である9号の解釈にて14級が認定される。主治医との信頼関係、写真添付が勝利につながった。

そしてなにより、調査事務所の実情を汲んだ柔軟な判断に感謝したい。

(平成24年5月)  

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 今週はスケジュールがズタズタでした。この日誌を20日に書いています。日誌を欠いた日に遡っています。タイムマシンに乗ったつもりでいきます。

「憲法9条を考える」ではなく「14級9号を考える」と題し、意見展開します。

 今週の等級認定実績は山崎先生が手掛けたPTSD(心的外傷後ストレス症候群)も出色ですが、私の右足挫傷もレアケースと思います。これらは骨折等の損傷を伴わない非器質性障害です。精神的なダメージや打撲捻挫の類は、医学的に「治るもの」とされています。長期化しても後遺障害としては成立しづらく、客観的に障害を示すような画像や検査数値が表れにくいと言えます。いくら自分が「精神的におかしくなった」、「痛みが消えない」と主張しても、信じてもらうことは大変難しいのです。なぜなら多くの被害者はその被害者意識から、被害を強く訴えがちだからです。

 それら客観的な証拠がない場合(画像や検査数値がはっきりしない)でも、訴える症状やその治療経過から「障害がある」と推認、等級が認められることもあります。その最大パターンがむち打ち、頸椎捻挫、外傷性頚部症候群です。多くの場合、追突されて首を痛めるのですが、まず医学的な常識から言えば、捻挫は消炎鎮痛処置を施し、安静にすることで完治します。それは個人差がありますがおよそ3か月以上かかることはありません。保険会社をこれを根拠に治療費の支払いを打ち切ります。

 しかし、単なる捻挫ながら、それが頚部の神経になんらかのきっかけを与え、謎の神経症状が長きにわたり続くことがあります。これを外傷性頚部症候群と曖昧な傷病名で定義しています。具体的な症状は疼痛だけではなく、しびれ、首から上肢・指先にかけての放散痛(首を曲げると指先まで電気が走るようなしびれや痛み)、そしてこれまた医学的に曖昧な表現になりますが、不定愁訴(なんだか調子悪い)、そして自立神経失調症と同じような症状を示すバレリュー症候群となります。

 このような相談者を100人以上経験しています。この方達は「なんで大したケガでもないのにそんなに長く通院しているの?」、「単なる更年期障害じゃないの?」・・・周囲から理解されません。確かに精神的な鬱や更年期障害等、心や体の不調と交通事故が重なりやすいことも事実です。調子悪いときに事故に遭って、それが事故のせいと思い込む、または事故のストレスで余計悪化する・・・。私も多くの場合、内在的な理由かな?と思っています。しかし事故外傷の起因性が大きく、それが強く推察される患者も一定数存在します。これらを医学的な証拠の有無だけで判断すれば、すべて非該当(障害なし)です。後遺障害等級は1~13級までとなります。しかし障害認定において「推察」できる、つまりある程度被害者の訴える症状に耳を傾ける余地を残したのが14級9号ではないかと思います。

 つづく  

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