法令から読んでも具体的にとらえられませんので、厚生労働省のパンフレットから転載しました。認定基準にもう少し踏み込みます。

  (1)介護の手間に係る審査判定   1. 要介護認定は、介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。従って、その方の病気の重さと要介護度の高さとが必ずしも一致しない場合があります。

 [例]認知症の進行に伴って、問題行動がおこることがあります。例えば、アルツハイマー型の認知症の方で、身体の状況が比較的良好であった場合、徘徊をはじめとする問題行動のために介護に要する手間が非常に多くかかることがあります。しかし、身体的な問題が発生して寝たきりである方に認知症の症状が加わった場合、病状としては進行していますが、徘徊等の問題行動は発生しないため、介護の総量としては大きく増えないことが考えられます。

2. 介護サービスの必要度(どれ位、介護サービスを行う必要があるか)の判定は、客観的で公平な判定を行うため、コンピュータによる一次判定と、それを原案として保健医療福祉の学識経験者が行う二次判定の二段階で行います。

3. コンピュータによる一次判定は、その方の認定調査の結果を基に、約3,500人に対し行った「1分間タイムスタディ・データ」から推計します。

 要介護度判定は「どれ位、介護サービスを行う必要があるか」を判断するものですから、これを正確に行うために介護老人福祉施設や介護療養型医療施設等の施設に入所・入院されている3,500人の高齢者について、48時間にわたり、どのような介護サービス(お世話)がどれ位の時間にわたって行われたかを調べました(この結果を「1分間タイムスタディ・データ」と呼んでいます。)。

4.① 一次判定のコンピュータシステムは、認定調査の項目等ごとに選択肢を設け、調査結果に従い、それぞれの高齢者を分類してゆき、「1分間タイムスタディ・データ」の中からその心身の状況が最も近い高齢者のデータを探しだして、そのデータから要介護認定等基準時間を推計するシステムです。この方法は樹形モデルと呼ばれるものです。

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 認定する際の審査体制と区分について続けます。  

9 介護認定審査会について

(1)審査判定業務を行わせるため、市町村に介護認定審査会を置く。・・・法第14条   (2)認定審査会は、委員のうちから会長が指名する者をもって構成する合議体で、審査及び判定の案件を取り扱う・・・施行令第9条第1項

(3)合議体の委員の定数は、5人を標準として市町村が定める。・・・施行令第9条第3項 10 一次判定、二次判定の位置づけ

介護認定審査会は、基本調査の調査結果及び主治医意見書に基づくコンピュータ判定の結果(一次判定)を原案として、特記事項及び主治医意見書の内容を加味した上で決定(二次判定)を行う。(「介護認定審査会の運営について」平成21年9月30日老健局長通知)

11 法第7条第1項の厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)について 「要介護認定等基準時間」により状態を区分(要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令)

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用語と法令について続けます。今日は認定に関わる事項について。

6 要介護(要支援)認定について 1) 介護(予防)給付を受けようとする被保険者は要介護(要支援)者に該当すること及びその該当する要介護(要支援)状態区分について市町村の認定を受けなければならない。 ・・・法第19条第1項及び第2項

(2) 介護認定審査会は、審査及び判定を求められたときは、厚生労働大臣が定める基準に従い、当該審査及び判定に係る被保険者について、審査及び判定を行い、その結果を市町村に通知する。・・・法第27条第5項

※ 厚生労働大臣が定める基準:要介護認定等に係る介護認定審査会による審査及び判定の基準等に関する省令

(3) 市町村は法第27条第5項前段の規定により通知された認定審査会の審査及び判定の結果に基づき、要介護(要支援)認定をしたときは、その結果を当該被保険者に通知しなければならない。・・・第27条第7項及び第32条第6項

7 「認定調査」について

市町村は、被保険者から要介護認定等の申請があったときは、当該職員をして、当該申請に係る被保険者に面接させ、その心身の状況、その置かれている環境その他厚生労働省令で定める事項について調査させる。・・・法第27条第2項

※ 厚生労働省令で定める事項:要介護認定申請に係る被保険者の病状及び当該者が現に受けている医療の状況

8 「主治医意見書」について

市町村は、被保険者から要介護認定の申請があったときは、主治医に対して、身体上又は精神上の障害の原因である疾病又は負傷の状況等について、意見を求める。・・・法第27条第3項続きを読む »

【事案】

自動車を運転中に、停止していたところを後方より追突されたもの

【問題点】

主治医との関係がうまくいっておらず、協力が得られなさそうな状況

【立証のポイント】

書面での医療紹介等を駆使して、何とか問題のない医証がそろう。

問題なく14級9号が認定された。

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【事案】

自動車停車中、後続車に追突される。

【問題点】

単なる捻挫、持病の悪化では治療の長期化は許されない。保険会社の打ち切り打診にも理解が必要です。しかし現実に事故後から発生、長期化する痛みに悩まされる被害者も少なくありません。症状固定とするも、主治医と相談し、病原を明確にするべく神経学的検査を行う。被害者にはこの結果で後遺障害認定となるか否かが決まることを納得してもらった。

【立証ポイント】

神経症状を裏付けるFNSテストにて陽性を示す。またMRIの精査により、L4/5のヘルニアの圧迫を認める。整合性も曖昧で、僅かの所見であるが、審査の結果14級9号が認められる。

他覚的所見が不明確でも、実情から推察できる症状となれば9号となる可能性があります。今回も助けられました。

(平成24年5月)

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交通事故で受傷し、介護認定を受けるケースがあります。 改定が多い介護認定制度ですが、数回にわたり勉強していきましょう。まずは用語と関連法令を確認します。

1 介護保険制度における被保険者の定義・・・法第9条

① 市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者(第一号被保険者)   ② 市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第二号被保険者)

2 「要介護状態」の定義・・・法第7条第1項

身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(要介護状態区分)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう。 ※ 厚生労働省令で定める期間:原則6ヵ月

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 事故相談、書類作成、お待たせしてすみません。急な予定がかさみ、今日もこれから外出、終日首都圏をぐるぐるです。 なんとか週末に取り戻します。

   今日の日誌は反則技。山崎先生のリクエストに答えまして。

 ポリス「見つめていたい」 1983年のヒット曲。

 http://www.youtube.com/watch?v=G-q2BJ638GI

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 おはようございます。現在たまった事務に忙殺されていますが、今日明日は弁護士事務所回り4件と病院同行で埼玉~東京~千葉~東京~埼玉、都内を3往復しますので移動時間の切り詰めが勝負です。都内に宿泊すれば楽なのですが、毎晩事務所に帰り文章作成をやらねばなりません。  言い訳じみていますが、有用な記事が出せないまま事務所を後にします。

              ・・・書きたいことは山ほどあるのですが!  

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平成23年4月の改定事項において高次脳機能障害の「疑わしい案件」について事前照会をかける、といった件がありました。これについて照会方法と用紙が判明しましたので報告します。  (高次脳機能障害を扱う法律職者必見!)

 <まず改定内容のおさらい>

 後進障害診断書において、高次脳機能障害を示唆する症状の残存が認められない(診療医が高次脳機能障害または脳の器質的損傷の診断を行っていない)場合・・・

 高次脳機能障害(または脳の器質的損傷)の診断が行われていないとしても、見落とされいる可能性が高いため、慎重に調査を行う。具体的には、原則として被害者本人および家族に対して、脳外傷による高次脳機能障害の症状が残存しているか否かの確認を行い、その結果、高次脳機能障害を示唆する症状の残存が認められる場合には、高次脳機能障害に関する調査を実施の上で、自賠責保険(共済)審査会において審査を行う。

 つまり「高次脳機能障害をよくわかっていない医師にあたってしまった場合でも、一応、高次脳機能障害を疑って調査をする」、ということです。今までの冷たい門前払いからの進歩ですが、すべてにおいて提出書類がものをいいます。つまり後遺障害の申請が書類審査である以上、書類の完備という基本は変わっていません。今までは門前払い案件に対し、異議申立てをする際にこれらの書類を追加提出していました。たとえばカルテや看護記録の開示を行い、家族の申述書(受傷時~現在の症状)を作成、添付する等です。したがって最初から調査事務所が疑わしき案件に対し、家族と医師に「症状の照会」をかけてくれるのなら一定の救済が果たせます。本来、全件そうすべきと常々思っていました。

 では照会はどのように行われるか?

 医師、本人(ご家族)に対して、以下の用紙を送り回答を求めます。これは高次脳機能障害の診断書に添付する重要な副診断書とも言うべき書類です。高次脳機能障害にたずさわる者にとってお馴染みのものです。新しく照会用紙を作ったわけではなかったようです。(少し肩すかし)

医師に対して → 「神経系統の障害に関する医学的所見」    

http://www.jiko110.com/topics/syoshiki/koujinou/2-02.pdf

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 昨日は成田空港に近い印旛日本医大へ行きました。先週の成田といい、ディープ千葉を満喫です。

 この方はつい先週の事故で、両足は包帯でぐるぐる巻き、骨折数か所で歩くことができません。事故状況も責任関係が微妙で、ご不安な日々を送っています。しかしいち早く連絡を頂きましたので、即面談、そして初動開始となりました。今後弁護士をはじめ数人の専門家によって、間違いのない解決への道へ進めます。

 被害者は受傷から孤独です。たった一人で初めて起きる様々な問題を解決していかねばなりません。本来治療に専念すべきところ、煩雑な事務によって精神的にもきついのです。やはり事故直後から専門家が寄り添うことが心身ともに助けになります。早速弁護士、社労士、行政書士の専門家チームの結成です。長い道のりになりますが被害者に寄り添っていくことになります。

 そして船橋市へもう一件病院同行、帰宅しました。今朝はもう事務所をでます。今日は横浜方面です。行ってきます。

 

 印旛日本医大駅  印象に残る駅舎でした。

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  昨日は月例の首都圏戦略会議でしたが、場所を六本木に移し、連携弁護士と協力して20人を超える相談者に対応、盛大な相談会となりました。オブザーブ参加者も数名列席。おかげで相談者の皆さんも緊張しきりだったと思います。これについてはお詫びを申し上げます。列席者は専門家を目指す志のある者達です。交通事故に真剣に取り組み、学習していることをご理解下さい。

 さて、印象に残ったことをいくつか。

1、同じ12級でも6号と13号では天地の差!

  相談者さんは手関節部分の骨折で手首の関節がよく曲がらなくなりました。関節可動域の制限は多くの場合、痛みも伴います。この被害者は行政書士に等級認定業務を依頼し、無事に12級13号が認定されました。これが大問題なのです。13号は「神経症状を残すもの」、つまり「痛い」症状の持続です。6号は「機能障害」、これは「曲がらなくなった」障害です。

 ではなぜ同じ12級でも13号では問題なのでしょう?

 これがわかならい弁護士、行政書士は専門家を名乗ってはいけません。辞めるべきです。

 障害の理由は賠償交渉における逸失利益算定に関わる重要な要素です。機能障害なら一生、もしくは相当長期にわたり改善せず、日常生活や仕事面で大変なハンデキャップになるはずです。当然逸失利益(失うであろう利益)は賠償上、長期間の判定になります。 しかし「神経症状=痛み」は数年で軽減、もしくは完治の可能性を残すものとして、逸失利益は5~10年程度までしか伸びない判断とされることが多いのです。

 担当した行政書士曰く「13号の方が取りやすから」と安易な請求を行ってしまったのです。これで被害者の受け取る自賠責保険金224万円は変わりませんが、追加請求する賠償金は数百万円程度失います。

 即、弁護士による等級の「号違い?」の珍しい異議申立て手続きとなりました。

  2、腕と足、両方を骨折、症状固定時期は?

 それぞれの重篤度が違うとはいえ、別々に症状固定するわけにはいきません。さらに腕は手術の可能性を残すもので、症状固定時期の判断は難しくなります。どのタイミングでどのような手を打つか、計画的・戦略的な解決を目指す私たちもあらゆる可能性を考えます。そして被害者に寄り添って適時、適切な判断を加えていきます。この高度な判断には受傷直後から被害者に寄り添い、一緒に進めていく軍師足るべき存在が必要です。多くの弁護士が「後遺障害等級が認定されたら来て下さい」と、この作業を軽視します。結果としてあらぬ方向へ被害者が曲がってしまい、適切な等級を逃します。

 本件のように複数の後遺障害が生じた事故の場合、弁護士の指揮のもと、専門知識を持った担当者の密着が必要とされます。

  3、すでに依頼しているはずなのに・・・

 昨日目立ったのは、既に弁護士や行政書士に依頼しながら、つまづいた、不安になった・・・相談者の来訪です。  ホームページで探したり、知人の紹介で頼んだ・・・なぜその法律家さんにそのまま任せられないのか?共通しているのはその専門家を名乗る先生の知識不足はもちろん、専門外であるのに安易に受任してしまった門外漢?であることが原因のようです。

 前述1のようなミスをする行政書士、交通事故の知識に乏しい弁護士、・・・この方たちの問題は依頼者の前で恰好をつけすぎていることです。私も交通事故に携わって20年超ですが、交通事故外傷のすべてを経験したわけではなく、まだまだ勉強不足です。しかしそれを補うべく、全国の仲間と常に情報交換、学習を怠っていません。そしてわからない事、迷った時は、「他の先生に聞いてみます」とはっきり言います。  昨日の弁護士先生もわからないことは素直にこちらに質問してきます。皆被害者のために必死で学んでいますので、資格や学歴や肩書などつまらない自尊心は皆無なのです。

 エセ専門家が少なからず存在し、その安直な仕事から被害者に2次被害をもたらしている現状を座視できないと感じました。被害者は専門家を名乗る法律家の真贋を見極めることが大事です。また、相談を受ける側の宣伝、被害者への訴えかけも絶対に必要です。  昨日のような垣根を越えた専門家集団による相談会の継続、そして受傷~解決まで一貫した体制の構築。これが交通事故解決のスタンダードになるはずです。

 弁護士、行政書士、役割は違っても被害者に寄り添い一つの流れとなる・・・交通事故業界の風向きが変わった瞬間です。

  5月の風薫る六本木

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 おはようございます。今朝から成田へ病院同行です。その後都内で面談、打ち合わせ、接待、その後久々に赤坂泊です。明日は相談会で六本木会場へ詰めます。  悔しいですが、今日の日誌はお休みさせて頂きます。昨日も空けてしまいました。なんとか週明けまで取り戻します。

 本日の対応はできるだけメールを推奨します。

 昨日のメール相談分は今夜回答します。少しお待ちください。

 それでは行ってきます!

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 続けます。まず14級の内容をおさらいします。

1一眼のまぶたの一部に欠損を残し又は睫毛はげを残すもの、

2 三歯以上に対して歯科補綴を加えたもの、

3 一耳の聴力が 1m 以上の距離では小声を解することが出来ない程度になったもの、

4 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの、

5 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの、

6 一手の親指以外の手指の指骨の一部を失ったもの、

7 一手の親指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することが出来なくなったもの、

8 一足の第三の足指以下の 1 又は 2 の足指の用を廃したもの、

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【事案】

大型ダンプカーとの正面衝突。生き死にの点では奇跡的に無傷と言えるが、顔に傷跡は残った。

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【問題点】

傷が薄いが事実としてそこに存在する。果たしてー

【立証ポイント】

傷の度合いが微妙な薄さであったが、女性である被害者にしてみれば一大事。光の加減で見え方が変化するため、複数の状況・複数の角度、多角的に写真を準備して申請に臨んだ。

※ 併合の為分離しています。

(平成24年5月)  

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【事案】

大型ダンプカーとの正面衝突だが奇跡的に無傷。事故のフラッシュバックが残存し、うつ状態、PTSDとの診断。 c_g_ne_82

【問題点】

器質的損傷があることが全てである自賠責の世界において、非器質性精神障害の証明は難しい仕事となる。つまり、非器質性精神障害であることが既に問題点。

【立証ポイント】

事故状況、被害者の日常生活状況、医師の見立て、全体を総合して真実であることは間違いないと被害者側の誰もが訴えるが、客観的立場にいる自賠責調査事務所から信用されなければ何の意味も無い。担当行政書士は、全ての立証に通じる 「嘘や脚色を一切剥ぎ取って真実だけを抽出する意識」 を強く持ち、丹念に全ての異常をピックアップ。同時に、事故と無関係と思われる訴えは冷徹に切り捨てる。この作業を繰り返して陳述書を作成、事故状況や新聞記事、実況見分謄写など周辺資料もまとめ上げ、満を持しての被害者請求。

結果、PTSDについて12級13号の認定を受けた。

※ 併合の為分離しています。

(平成24年5月)  

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【事案】

バイクで直進中、交差点で左折自動車に巻き込まれ転倒。

【問題点】

レントゲンでは骨折等骨の異常は見られない。しかし右足の腫れがひどく、腫れがが長期にわたりひかない状態。そこで私の出番。周辺靭帯の損傷を疑いMRI3.0テスラで疑わしいところをピンポイント精査。しかし内出血の病変は認められるが、直接の病変部が不明。

相手保険会社も「捻挫だから・・」と軽視し、担当者も「実際に面談時に見ましたが腫れは引いてます」と手前勝手な判断で、半年で治療費を打ち切った。さらに接骨院中心の治療から、整形外科の主治医も後遺障害診断に迷惑顔。

【立証ポイント】

腫れの状態、長期化が尋常ではない。しかし、画像からは病変部が突き止められない。

治療費の打ち切り後、健保使用で整形外科に通院継続。主治医の信頼を得た上で、左右の足の周径を計測し、1cmの左右差を後遺障害診断書に記載。具体的には「靴のサイズを左右違える必要がある」等の主張と、事故から適時撮影した足の写真11枚を添付する。

結果として骨折等の器質的損傷は不明であるが、治療経過から「神経症状の残存」である9号の解釈にて14級が認定される。主治医との信頼関係、写真添付が勝利につながった。

そしてなにより、調査事務所の実情を汲んだ柔軟な判断に感謝したい。

(平成24年5月)  

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 今週はスケジュールがズタズタでした。この日誌を20日に書いています。日誌を欠いた日に遡っています。タイムマシンに乗ったつもりでいきます。

「憲法9条を考える」ではなく「14級9号を考える」と題し、意見展開します。

 今週の等級認定実績は山崎先生が手掛けたPTSD(心的外傷後ストレス症候群)も出色ですが、私の右足挫傷もレアケースと思います。これらは骨折等の損傷を伴わない非器質性障害です。精神的なダメージや打撲捻挫の類は、医学的に「治るもの」とされています。長期化しても後遺障害としては成立しづらく、客観的に障害を示すような画像や検査数値が表れにくいと言えます。いくら自分が「精神的におかしくなった」、「痛みが消えない」と主張しても、信じてもらうことは大変難しいのです。なぜなら多くの被害者はその被害者意識から、被害を強く訴えがちだからです。

 それら客観的な証拠がない場合(画像や検査数値がはっきりしない)でも、訴える症状やその治療経過から「障害がある」と推認、等級が認められることもあります。その最大パターンがむち打ち、頸椎捻挫、外傷性頚部症候群です。多くの場合、追突されて首を痛めるのですが、まず医学的な常識から言えば、捻挫は消炎鎮痛処置を施し、安静にすることで完治します。それは個人差がありますがおよそ3か月以上かかることはありません。保険会社をこれを根拠に治療費の支払いを打ち切ります。

 しかし、単なる捻挫ながら、それが頚部の神経になんらかのきっかけを与え、謎の神経症状が長きにわたり続くことがあります。これを外傷性頚部症候群と曖昧な傷病名で定義しています。具体的な症状は疼痛だけではなく、しびれ、首から上肢・指先にかけての放散痛(首を曲げると指先まで電気が走るようなしびれや痛み)、そしてこれまた医学的に曖昧な表現になりますが、不定愁訴(なんだか調子悪い)、そして自立神経失調症と同じような症状を示すバレリュー症候群となります。

 このような相談者を100人以上経験しています。この方達は「なんで大したケガでもないのにそんなに長く通院しているの?」、「単なる更年期障害じゃないの?」・・・周囲から理解されません。確かに精神的な鬱や更年期障害等、心や体の不調と交通事故が重なりやすいことも事実です。調子悪いときに事故に遭って、それが事故のせいと思い込む、または事故のストレスで余計悪化する・・・。私も多くの場合、内在的な理由かな?と思っています。しかし事故外傷の起因性が大きく、それが強く推察される患者も一定数存在します。これらを医学的な証拠の有無だけで判断すれば、すべて非該当(障害なし)です。後遺障害等級は1~13級までとなります。しかし障害認定において「推察」できる、つまりある程度被害者の訴える症状に耳を傾ける余地を残したのが14級9号ではないかと思います。

 つづく  

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 今週は珍しく病院同行が少なく、事務所にこもっている日が続きます。これはここ数か月で珍しいことです。

 もっとも週末の相談会の準備や、たまっている事務で忙殺されています。特に異議申立書が3件続きます。これは「異議申立て」としての受任ではありません。自賠責の画一的な判断に対し、新しい医証を添えてのリベンジです。やはり異議申立ては大変です。いつも力説していますが、そうならないようにする事が大事です。

 また事故相談の電話も毎日あります。近隣の方はもとより、遠方の法律関係者からも電話を頂いています。日誌の内容に類似する案件の相談です。つまり私の書いた記事が知らない人に日々読まれているわけです。間違ったことは書けません。ネット社会の利便性と怖さを感じます。

 とまぁ、山崎先生のように深夜の日誌となりました。おばあちゃんの遺言・・・深夜の書き物、特にラブレターはやめろ。それは別人が乗り移ったように病的で感情的にねちっこくなるからだそうです。・・・確かに深夜の書き物は、翌朝読むと死ぬほど恥ずかしいものです。

             

 明日はびしっと研究記事を掲載したいと思います。記事は朝型が一番です。

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【事案】

横断歩道を歩行中、後方からの右折車にはねられる。大腿骨遠位端(膝に近い部分)を骨折する。

【問題点】

骨折をプレート固定するも、術後に血栓症を発症し、出血が止まらなくなる懸念から抜釘手術を回避。プレート固定したまま症状固定とする。リハビリの努力で可動域はやや回復するも重度の障害を残す。

【立証ポイント】

本人面談の際、リハビリの効果はあったものの歩き方の異変に気づく。そして後遺障害診断に同席、可動域の測定だけではなく、左右の足の長さの計測を主治医に依頼する。やはり軽度の内半(内側に曲がる)と共に短縮障害(ケガした方が1.5cm短くなってしまった)を発見! これより可動域制限(12級7号)に短縮障害(13級8号)が併合され11級に。

これは事前認定(保険会社任せ)はもちろん、多くの専門家(と名乗る法律家)が見落としています。

関節附近の骨折に短縮障害が残りやすい事・・・これは3月の弁護士研修会で発表しましたよね。

全国の弁護士、行政書士に再度訴えます。大腿骨遠位端骨折、脛骨高原骨折は関節拘縮や骨の変形で長さが変わりやすいのです。必ず下肢長を測って!

(平成24年5月)  

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現在、月例の首都圏相談会に加え、全国レベルでの相談会を展開しています。全国の協力行政書士、連携弁護士の協力で、主要都市での開催が続きます。

なぜ、首都圏戦略会議が全国的にモテモテなのか?

難しい法律話、役に立たない机上論に終始する保険会社や市町村の相談窓口とはまったく違うからです。個人の弁護士や行政書士の無料・有料相談とも規模、質、共に隔絶しています。それは首都圏だけでも年間300人に及ぶ面談数から推察して下さい。 また無料相談と言いながら「着手金無料ですからとりあえず契約を!」などとしつこい勧誘もしません。なぜなら大勢の相談者がいらっしゃるので、そんな時間も惜しいのです。

交通事故の実利ある解決とは、しっかりとした方法論をもって計画的に進めるものです。相手保険会社と喧嘩している暇はありません。この完全解決計画の立案は専門家集団のネットワークがあるからこそ実現できるのです。

手前味噌ですが、相談会レポートを再掲示します。単なる交通事故相談との違いを感じて下さい。  

ミニチュアによるシミュレーション

交通事故における過失相殺の相談も多いものです。

細かい状況説明いらず。事故を再現する事により分析を進めます。

   

実際に可動域の計測をします  理屈よりまずその場でゴニオメーター(関節計測用定規)で測ってしまいます。続きを読む »

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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