ムチ打ち、外傷性頚部症候群の症状の多くに単に首の痛みだけではなく、上肢~手指にかけての放散痛(電気が走るようなしびれを伴った痛み)がみられます。何故でしょうか?それは首の神経が鎖骨の裏を通り、腕から手指にかけてつながっているからです。
また上肢の拳上が不能となるようなケースもあります。これは首の左右の神経根の圧迫、神経孔の狭窄(きょうさく)、つまり首の頚椎と頚椎の間を通る神経がヘルニアや変形した骨の圧迫を受けたり、神経を通る隙間自体が狭くなるために起こります。稀に脊髄自体に頚椎やヘルニアの圧迫がある正中型神経圧迫でも発症するケースがあります。ひどい例ですと肩が上がらなくなった被害者(脊髄前角障害)も経験しています。
腕の拳上不能の原因は、肩腱板か? 上腕筋の損傷か? 頚部神経症状か?…医師の診断力が試されるところです。
5、腕の支配神経
前述のとおり、頚部の神経節を発し、鎖骨の裏側を通り抜け腕に達します。ちなみに胸郭出口症候群ではこの鎖骨裏の神経群が圧迫を受けて症状を発します。
A.腋窩神経(えきかしんけい) 続きを読む »