世界の左半分がない世界?
今朝、神戸の佐井先生から高次脳機能障害の案件について相談がありました。気になる症状に「左目が見えない」がありました。どうやら脳の障害によるもののようです。今回は半空間無視について。 左目が見えない?というより左目に映る映像を認識できない状態です。脳の障害で、頭頂葉や右側頭葉に硬膜下血腫等による圧迫、ダメージを受けた方に多くみられる症状です。もちろん反対に逆の右側が認識できないケースもあります。これは視神経障害による失明とは違います。通常人は眼に映った情報を脳で解析しています。しかし脳の解析システムが故障することよって、映るものが認識できない状況に陥るのです。したがって当人は見えてないことすら自覚しません。
日常の例では、
・ 食卓に並んだいくつかのおかずの皿から右半分しか箸をつけない ・ 廊下を歩く時、片側に寄ってしまい、肩を壁にすりながら歩いてしまう ・ 家の絵を描かせると片側半分だけしか描かない ・ 片側から話しかけられても反応しない ・ 片側に人が立っていても存在に気づかない
① 行動性無視検査(BIT)
Bitは従来の視空間認知検査法であった「線分抹消課題」や「線分2等分課題」など机上の視覚認知評価6種類からなる「通常検査」と日常生活場面を想定した「行動検査」の2つを行います。 絵や文字の消込や線引きなどいかにも検査的な通常検査に加え、「行動検査」を加えることにより、より詳細に症状を訴えることが可能です。例えば文章の読み書き、時計の認識、物品・硬貨の認識などより生活の困窮点を明らかにできます。