昨日は大宮(埼玉)~千葉~銀座(東京)と3県移動で病院まわりでした。首都圏は交通の便もよく、一日で3~4か所訪問することが可能です。つくづく 法律家<実務家 です、この仕事は。

 さて年始の業務日誌にて「立証型行政書士を名乗る!」なんて抱負を語りましたが、これについて仲間内やクライアントさんから反響がありました。

 「秋葉さんは後遺障害を立証するのが仕事なのですね。ではそれ以外の交通事故を扱う行政書士先生とどう違うのですが?」

 「立証型ではない行政書士は何型なのですか?」

 ・・・このような質問が付されての反響です。  お答えします。

「立証型行政書士」・・・後遺障害の認定を主たる業務に据え、医証の獲得・収集を行い、紛争を未然に防ぐ、もしくは潤滑な賠償交渉の下準備をして弁護士に引き継ぐ、予防法務の専門家。

 では、それ以外の交通事故業務をする行政書士とは ・・・ 異議申立て、書類による賠償交渉、紛争センターのサポートを主たる業務にしている紛争介入型です。しかし「紛争」という言葉は弁護士法72条に触りますのでこの呼び方は不本意でしょう。私はこう呼ぶのが適当かと思います。

            「赤本行政書士」

 赤本とは日弁連交通事故損相談センターが毎年出版している「損害賠償額算定基準」(2800円)の通称です。この本に慰謝料や休業損害、過失割合など交通事故の賠償請求に必要な相場、金額が裁判基準で記載されています。東日本の弁護士はこれを見て賠償額を計算し、賠償交渉をします。

 被害者より依頼を受けた赤本行政書士も同じく加害者側保険会社の提示に対し、この本で損害賠償額を計算し、請求書を作ります。当然ながら保険会社の基準による提示より2~3倍の額になります。この基準は裁判だけではなく、首都圏の交通事故紛争センターで採用されています。したがって保険会社は裁判や紛争センターに持ち込まれるなら、この赤本の基準100%は認められなくとも、保険会社基準から引き上げざるを得なくなります。  仮に後遺障害14級の場合、保険会社は最初130万程度の社内基準の提示をします。対して赤本行政書士は赤本満額の330万の請求書を作成します。交渉自体は被害者本人がこの請求書を手に進めます。このように陰に隠れて書類交渉の結果、230万位で示談・解決するパターンをよく見ます。もしくは被害者自身、会社を3~4回休んで紛争センターに通い、斡旋案260万位で解決を果たします。  被害者は100~130万円のUPです。そして「先生のおかげです」と言って成功報酬20%=20~26万を支払います。

 この赤本行政書士を選択するポイントは、物損事故や軽いケガ、後遺障害の等級認定に心配がない、自分で交渉したい、賠償額は保険会社提示を上回れば地裁基準満額にこだわらない・・・このような被害者さんのニーズに適していると思います。

 対して、後遺障害の認定に不安がある、医師の診断に不安がある、より高度な書類を作成したい、賠償額は赤本満額を目指し、納得のいくよう堂々と専門家に交渉してもらいたい・・・この場合、立証型行政書士+弁護士の利用をお勧めします。  双方に報酬を支払っても、赤本行政書士利用より最終的に手にする賠償金額は多くなるはずです。

 交通事故相談や、後遺障害を検索すると実にたくさんの行政書士HPがでてきます。行政書士を選ぶ際、どちらのタイプの行政書士が自分のニーズに適しているのか?

 比較表を作ってみましたので被害者さんもチェックしながら見極めて下さい。  (参考になるかな?あくまでステレオタイプの分類です。あしからず)

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 年をまたぎました本シリーズも最終回です。じっくり分析を進めてきましたが、今改定が現状の認定状況に大きな影響を与えることはないと思います。それでも前進した部分もあり、認定基準の細部に血が通ったきた印象を受けます。それはいくつか明確な判定基準や調査姿勢を打ち出してきたこと、そして最後に取り上げる、「障害の周知についての努力義務」でしょうか。報告書原文を抜粋します。

【関係各方面への周知】

(1)被害者(一般)への周知

 現在損保料率機構が作成している被害者(一般)向けのリーフレットは、保険請求にあたっての諸手続き、高次脳機能障害審査会制度などを記載しており、周知に当たっての一定の効果があると考えられる。被害者(一般)向けのリーフレットについては、今後も各保険会社の受付窓口や損保料率機構自賠責損害調査事務所に備え付けるだけでなく、口弁連交通事故相談センターなどの各種請求相談窓口にも漏れなく備え付けることが必要である。  また、口弁連交通事故相談センターが行っている高次脳機能障害相談の窓口に対しても積極的に協力するなどして周知への努力を続けるべきである。  さらに、当委員会の検討において、軽症頭部外傷を原因とする高次脳機能障害の被害者が審査の対象から漏れている可能性についての指摘もあったことから、その点についても一層の注意喚起を行っていくことが適当である。

(2)医療機関への周知

 脳外傷による高次脳機能障害を評価するうえでぱ、診療医作成の経過診断書および後遺障害診断書の記載内容が極めて重要である。特に、初診時の被害者の状態(意識障害の有無・程度・持続期間等)、各種検査結果、被害者の現在の症状などについて、診療医から提供される医療情報が不可欠である。今後、関係各方面の協力を得ながら、現在損保料率機構が作成している後遺障害診断書の記載方法などをわかりやすく解説した医療機関向けの解説書を改訂・配布することが必要である。

(3)医師への啓発

 脳外傷による高次脳機能障害は、社会的な認知が高まりつつあるが、依然「見すごされやすい」障害である。仮に診療医がこれを見落とした場合は、医証を中心に検討を行う現行の保険実務では、被害者救済に一定の限界があるといわざるを得ない。  このような場合も含めて、診療医が高次脳機能障害の診断と評価を適切に行なうことが、被害者救済を充実させることにつながる。とりわけ、軽症頭部外傷を原因とする高次脳機能障害を的確に認定していくためには、医師が初診時の患者の状態を正確に記録することが極めて重要であり、診療録の記載の充実を求める必要がある。  そのため、後遺障害診断書を記載する現場の診療医に向けた啓発活動を継続(軽症頭部外傷による高次脳機能障害発症の可能性についての注意喚起および意識障害に関する必須情報の記載を含む。)することが必要である。この目的で、医療機関向けの解説書等の整備を図るとともに、各種学会・講習会等の場で高次脳機能障害の後遺障害等級認定に関する情報提供を行うなど、広く啓発活動を行っていくことが望まれる。

【おわりに】一今後の取組みと継続的な見直しー

 当委員会では、自賠責保険として脳外傷による高次脳機能障害について、画像機器の技術革新などによる診断技術の現状の確認を行うとともに、現状の認定システムを再点検することで、より一層的確な認定が行えるよう論議し種々の提言を行った。今後、今回の提言を活かした実効性ある取組みが必要と考える。  なお、今回の提言を踏まえた取組みが行われることにより、当面の問題は整理できるものと考えられるが、損保料率機構は今後とも定期的に検証作業を行い、必要に応じて適宜認定システムを見直し、被害者保護を一層充実させなければならないと考える。 以上    <解説>

 要約すると、以下4つの課題です。

1、保険会社の努力を期待 2、医療機関への情報提供 3、医師への呼びかけ 4、継続的な見直し

 1の保険会社への期待は望めないように思います。高次脳機能障害の認定はつまり、営利企業である保険会社の利益に反するからです。(でも担当者個人の正義感にはいつも期待しています。)  2、3の医療機関と医師ですが、病院経営者の姿勢や医師の人柄に負うところが大きいと思います。毎度、立証側の我々は身に染みています。

 障害の立証=「人に頼らず、自らの学習・努力が欠かせない」という基本は変わりません。

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 4日は箱根日帰り、6日~7日新宿を拠点に活動、そして今朝から福島行きです。

移動に次ぐ移動ですが、無料対応も多く・・今年も貧乏暇なしが続きそうです。

本日の日誌も情報発信とならず歯がゆいです。明日以降取り戻しますね。

正月返上で頑張ってますが少々バテ気味。一つ一つ押さえていきます。

 では行ってまいります。  

             都庁(西新宿)の昼と夜

     

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 昨年は各方面の皆様からたくさんのご指導を頂き、勉強・修行の一年でした。そしてのべ40か所の病院めぐり・・・様々な医師との出会いから貴重な医療ネットワークが実を結んできております。この調子で本年も「病院お遍路」を続けていきたいと思います。

 さて、年始にあたり今年の抱負を少し。いわば大枠の目標です。  

1、高次脳機能障害の最新マニュアルの出版

 自賠責が示す高次脳機能障害の等級認定基準ですが、被害者や医師に対し未だ周知されていません。これだけ情報が出回っていながら、有用な情報、専門家、機関に出会えず右往左往している被害者が本当に多いのです。深刻なのは頼るべき弁護士、行政書士等の各法律職者、民間機関、公的機関の方々が、はったりやにわか知識で専門家を名乗るケースです。ではよく勉強し、医学的な知識が豊富であればいいのか?そうではありません。具体的な立証方法を理解・確立し、専門医・検査機関への誘致ができなければまったく意味はないのです。

 医学書は山のようにあります。しかし実践的な立証マニュアルとなると・・・交通事故110番の出版物以外見当たりません。幸い昨年も多くの被害者と専門医に接し、最新のノウハウが蓄積されつつあります。「これらを世に出さねば!」 これは立証型行政書士の使命だと思います。  

2、立証型行政書士を名乗る

 昨年の業務で痛感しています。それは、

 「後遺障害を異議申立てや裁判上で争うような苦労を被害者にさせてはいけない」 ことです。

 それには受傷から一貫したフォローを行い、間違いのない等級認定に導くことが一番です。これは行政書士業務にぴったりはまります。行政書士は事実証明(自らの権利・義務を法律文章化すること)が仕事です。そして予防法務(裁判などの紛争を未然に防ぐこと)の専門家です。行政書士法を読めばそのような解釈となり、これに対し誰からも異論はないのです。  

 我々が目指すところは「立証型行政書士としてより力をつけることです。

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【事案】

歩行中自動車に轢かれ、足関節と鎖骨を骨折したもの。

【問題点】

日整会方式による正常値は背屈20度・底屈45度。対して本件被害者の健側他動値は背屈45度・底屈60度(合計105度)、患側他動値は背屈5度・底屈40度(合計45度)であった。事実としての可動域で比較した場合は2分の1以下10級の要件を満たすが、日整会方式正常値(合計65度)との比較では4分の3以下12級となる。

被害者はスポーツマンで関節に柔軟性があり、事故前と同じように運動することが出来なくなった事実と、日整会方式正常値との関係でどのような申請をするべきか。

【立証ポイント】

日整会方式にとらわれない相対的な認定を目指し、日常生活の苦痛・支障を丹念に書類にまとめた。結果、2分の1の制限ありとして10級11号が認定される。これにより鎖骨変形12級5号との併合で9級が確定。弁護士に案件を引き継いだ。

※ 併合のため分解しています

(平成23年12月)  

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【事案】

歩行中、自動車に轢かれ、足関節と鎖骨を骨折したもの。

【問題点】

足関節で12級以上が認定される可能性が非常に高いため、併合を意識すると鎖骨変形12級5号を取り逃がすことは出来ない。骨変形が外形で確認出来る事実を、いかにしてありのまま調査事務所に伝えるか。

【立証ポイント】

角度を変えて何枚も写真を撮影し、一目で骨変形があるとわかる資料を作成。12級5号が認定された。足関節10級11号との併合で9級が確定。弁護士に案件を引き継いだ。

※ 併合9級の事案であるため分解して掲載しています

(平成23年12月)  

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【事案】

飲み会の帰り道、自動車後部座席で寝ていたところ、運転者がハンドル操作を誤って民家の塀に激突した。

【問題点】

1.当初骨盤打撲と診断され4ヶ月ほど治療したものの、腰痛・下肢のシビレについて改善が悪い。シビレについては特に医師に訴えていない。

2.腰部MRIを撮影していない。

【立証のポイント】

当事務所が懇意にする専門医をセカンドオピニオン受診。筋萎縮、反射低下等、異常所見が確認されたため、急遽MRI撮影を手配。突出所見が確認された。

最終的には 「自覚症状」⇒「神経学的所見(萎縮・反射・筋力、SLR等)」⇒「画像所見(MRI、ミエロ)」 +日常生活状況報告書 によって、症状固定日時点では完璧な立証となった。ただし、当事務所関与前、受傷直後の対応の拙さ(自覚症状を伝えきっていない⇒そのため正しい診断を受けていない)は、医師にカルテの修正を拒否され、最後まで解消できなかった。

最終結果は、予想通り受傷直後の問題を指摘され14級認定。初期段階から正しい対応をしていれば12級13号認定の可能性もあった事案である。異議申し立てをせずに弁護士に案件を引き継ぎ、対応終了とした。

(平成23年12月)

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【事案】

自動車運転中に追突されたもの。

【問題点】

1.交通事故の立証に協力的な医療機関が見つからない。

2.既往症でヘルニアがある。

3.今回撮影したMRIにて脊髄空洞症と診断された。

【立証のポイント】

http://www.jiko110.com/contents/gaisyou/keiyoubunennza/index.php?pid=3001&id=1136524843#1136524843

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部位別解説 後遺障害等級認定実績(初回申請) 後遺障害等級認定実績(異議申立)

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