頭部外傷によって、忘れっぽくなった(記憶障害)、段取りが悪くなった(注意・遂行能力の低下)、すぐキレる(易怒性)、元気がなくなった(易疲労性)、性格が変わった等・・が起きてしまいました。家族は以前と変わってしまった被害者を前に困惑しています。しかし、必ずしも主治医が「高次脳機能障害です」と診断するわけではないのです・・・
高齢者の場合 ⇒ 医師「お歳なので痴呆のせいですよ」
= 単なる認知症にされてしまう
言葉が乱暴、反抗的? ⇒ 医師「(怒りっぽい人だなぁ)ケガは治ったので退院しましょう」
= 医師は事故前の患者の性格を知らない
脳内出血が止まった ⇒ 医師「もう危険は去りました あとは安静にして下さい」
= 命の助かった患者に対し、すでに興味なし
検査したらIQが平均点以上? ⇒ 医師「幸い障害は残りませんでした」
= ある能力だけが低下、それ以外は事故前と変わらない
(これも高次脳機能障害の特徴の一つ)
このような医師の対応で、「なんだか変?」のまま月日が経ち、相手保険会社から「そろそろ示談しましょう」と終わりにされます。つまり、高次脳機能障害が見逃されます。残念ながら自動的に障害が立証されるわけではありません。特に微妙な変化しか見せない症状は誰かが気付かなければならないのです。医師のすべてが高次脳機能障害を熟知しているわけではないのです。そして、ほとんどの病院で検査の設備・人員がなく、高次脳機能障害の評価ができません。したがって、間違いのない等級認定を得る為に、検査・評価のできる病院へお連れしなければなりません。
以下の実例は、あきらめなかったご家族、ご本人と一緒に戦った逆転劇の記録です。